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社長ブログケヤキの木の下で

2014年6月30日

家を考える みたいな

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
家を造る
そのことを純粋に科学する。
その視点がいままで日本人にはあまりありませんでした。
制度や規制は常にお上が与えてくれるもの、
それはある意味、天の声で
疑いを挟み込むことは露程も考えられませんでした。
農耕民族の習い
皆と同じ時期に、同じことをする。
田植えも、草刈も、稲刈りも、
皆と同じことを同じようにしていれば何も考えなくても間違いはありませんでした。
そう、何も考えなくても。
そういう生活を数百年続けてきた多くの日本人
時は21世紀
でも、そのDNA(何も考えず、他人と同じことをする)は
脈々と生きています、農耕民族のDNAと言ったらいいのでしょうか。
多くの新築住宅を検討中の方が
まさに同じ行動パターンを取られます。
思考回路が理系の方
医者、建築士、技術者も
かなりの割合で住宅を科学する思考が停止します。
上のような職業の方は論理的な思考が職業上求められますが
自分の住む住宅に関してはその思考が止まってしまう方が多いのです。
健康に暮らすには
どんな室内環境が必要か
夏は?、冬は?
室内を何度にするか
一部屋ごと(部分間歇暖房)ではなく、全室共通か?
そのためには何をしなければならないか?
何をすれば最も効率よくそれが実現できるのか
初期投資はいくらかかるか、
ランニングコストはいくらになるか、
それを実現させるための住宅の性能はどれだけなければならないか
そもそも住宅の性能とは何か?
気密、換気、断熱、冷暖房システム
これが住宅の基本性能
健康な生活を送るために
これらの数値がどの範囲でなければならないか。
少なくともそれを知った上での
デザイン、間取り、金額etcであるはずです。
ちなみに
最近は第一種熱交換換気システム流行り
第一種セントラル換気システムを採用するにあたり必要なC値は?
こちらは
北海道住宅新聞の記事
北海道住宅新聞記事 漏気による熱ロス 060915-2_3men_page001.jpg
北欧住宅研究所の資料
第三種換気、第一種換気システムで推奨されるC値が出ています。
詳細は省きますが
第一種換気で必要なC値は0.3以下
第三種換気では0.5以下
北海道住宅新聞記事 漏気による熱ロス 060915-003.jpg
第一種と第三種で異なるのは
家の中の気圧が外部と等しくなる第一種では
外気の風速と温度の違いが室内空気の漏れ(漏気と言います)に大きく影響するため
第三種ではそれが少ない。
そのため計画する換気回数を達成しようとすると
第一種ではC値、0.3以下と非常に高度な値が求められます。
ちなみにこのC値0.3以下はパッシブハウスが要求するC値とほぼ同じ程度で
恐らく日本のほとんどの第一種換気システムを採用している会社は達成できていない。
パッシブハウスが求める気密性能は
50パスカルでの漏気回数が0.6回
C値で言えば0.3以下(0.2程度)
つまり第一種換気を採用しているパッシブハウスは
外気の影響を受けないC値は0.3以下でなければならないことを
知っているからにほかなりません。
気密の性能を表すC値を揶揄するコメントも多く見られますし
「既に気密は新築住宅では概ね達成されているので省エネ基準の評価項目から外す」
と言って外してしまった日本の国交省。
(どこかの圧力団体が外させたとの噂も・・)
これを聞いたヨーロッパの建築関係者
実態を知ってる人は:大丈夫か日本?
実態を知らない人は:そんなに日本の気密レベルは高いのか?
いろんな立場や考えがネット上では溢れていて
それぞれ皆自分の考えが正しいと主張しますし
このブログでさえその中のひとつにすぎません。
情報を収集しようとするほど魑魅魍魎の世界へ入ってしまいます。
相手に
なぜ?
という問いを発したときに
どんな答えが出てくるか。
通り一遍の回答で満足するのではなく
回答に対して
その都度、なぜ?を3回か4回繰り返すと
本当の目的や目標あるいは相手の意図している部分に近づけます。
もちろん考えが根拠のないものであれば相手は答えに窮するか
話を変えようとします。
どんな家がいいのか?
漠然とした問いを考える時
いろんな軸に分解して考えるのもひとつの方法
時間軸であれば過去、現在、未来
水平軸であれば、美濃地方、北海道、韓国、中国、欧州、北米
もちろん個別の部分でも同じで
サッシの時間軸、水平軸
省エネ性能の時間軸、水平軸
換気システム、外壁、屋根、耐震etc
漠然としてとらえどころがなければ
個別に分けて考えることがひとつにヒントになります。
漠然としたままの状態での
ネット検索やハウジングセンター訪問は?がますます増えていくばかり。
30年以上ローンを組むのですから
30年以上建ってるのはもちろん
30年以上快適に暮らせる室内環境とは、
それを実現する性能とは何かじっくり考える必要があります。
住宅における国の制度や規制を見れば
昨日までOKだった制度や基準も
今日からはNGなんてのが過去何回もありましたから
これから家を建てる人はその点にも注意しなければなりません。

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