HOME >> ケヤキの木の下で

社長ブログケヤキの木の下で

2015年12月11日

推奨される断熱性 Ua値0.34の家とは

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
雨だけでなく風もかなり吹いてる美濃地方
事務所の前はご覧の有様
2015-12-10 004.JPG
濡れ落ち葉・・・
さて、
前回のHeat20のグレードアップのお話し、
住宅の温熱を重視している工務店や設計者の間では話題沸騰ですが
一般の方の耳に入るのはまだまだずいぶん先のことでしょう。
美濃地方は気候区分は4.5.6の三つの地域に分かれます。
大きく分けると
西濃(岐阜、大垣)が6地域
中濃(美濃加茂、可児、多治見)が5地域
東濃(恵那、中津川)が4地域
Ua値での推奨水準がそれぞれ
西濃 0.46
中濃 0.34
東濃 0.34
数字が小さいほど断熱性が求められます。
この0.34という数字が現行の北海道基準の0.46より上
つまり
西濃地方の大垣、岐阜市で北海道基準
中濃、東濃はその上(現行の基準では設定されていない)の基準
実は西濃地方の0.46程度までなら既存の住宅の断熱材に特別の工夫がなくてもできますが
中濃、東濃地域の0.34をクリアしようとすると
それだけでは不足で何かひとつ工夫が必要です。
例えば
サッシはトリプルサッシ(ガラスが3枚です)
壁は厚さ12cmの高性能断熱材
天井は厚さ30cmの高性能断熱材
床も7.5cmのスタイロフォーム
この仕様では推奨基準の0.34をクリアできません(^_^;)
上記の断熱仕様に加えてプラスアルファの工夫がが必要なレベル。
フランスで開かれているCOP21や
そこで表明された日本の目標、
国交省や経産省のゼロエネ住宅に代表される省エネ基準の推進状況
これらの動きを見ていれば
私の予測では10年経たずして
上記のUa値0.34は新築住宅の標準的な断熱仕様になると思われます。
現在中濃地域で一般的な住宅の標準断熱仕様は
25年省エネ基準に準拠するもので
壁は厚さ10cmの普通断熱材
天井は厚さ15cm程度の普通断熱材
サッシはUw値3.3程度のペアガラスサッシ
床は5cmのスタイロフォーム
これを推奨基準まで性能アップさせなければなりません。
Ua値0.34というのは
Q値で言えば1.3クラス
西方先生の「プロとして恥をかかないための
ゼロエネルギー住宅のつくり方
」によれば
6地域でQ値0.98の住宅がどのようなものか
解説されています。
(Q値0.98は熱交換がが入っているので熱交換機不使用であればQ値1.3、Ua値も熱交換は入りません)
(熱交換を考慮したQ値0.98は熱交換を考慮しないQ値1.3に近い)
実際西方先生が作られてきた高性能な住宅での実例です。
いくつか挙げてみると
Q値1.3の住宅では
・ワンルームのような家の使い方になる
・夏でも小屋裏で就寝できる
・暖房光熱費がとにかく安い家になる
・大きな空間でも暖房効率がよい
・夏でもエアコン1台で家中冷房できる
・窓の大きい開放的な家になる
・低温で暖房できるので冬季に乾燥しにくい
・夏でも洞窟のような涼しさ
住宅の性能については
従来日本で考えられてきた断熱性の延長で考えるのではなく
パラダイムシフトが起こっていると考えた方が良さそうです。
断熱性についての今までの支配的な概念(冬、家の中のどこかが寒いのは当たり前)が
根本的に変わろうとしています。

Archive

ご相談予約
資料請求