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社長ブログケヤキの木の下で

2016年9月7日

ダクト式エアコンによる全室冷暖房

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
さて、本日は新住協ネタの最後
ダクト式エアコンによる全室冷暖房
新住協の総会で鎌田先生より発表があり
会場からはすぐにでも使いたいという声も上がっていました。
エアコンと言うと
壁掛けのエアコンが主流
時折天井埋め込みタイプもありますが
店舗での使用が多く、住宅では最近あまり見ません。
このダクト式エアコンも業務用が主流で大型
一般住宅向けの小型なものはありませんでした。
壁掛けエアコンは
エアコンのあるその空間とつながっている空間を暖めるわけで
通常の部分完結冷暖房の場合、一部屋に1台
子供室x2
寝室x1
キッチンX1
リビングX1
などと使い分けて設置するのですが
住宅の性能が悪いほど設置台数も多くなります。
今回、発表のあったのはダイキン製
一台のエアコンから何本ものダクトが伸びて
それぞれの部屋にひとつづつダクトから冷気と暖気が送風されるもの
1階と2階の間の階間
つまり、1階の天井裏に設置して
そこからダクトを伸ばし
2階の床と1階の天井から
暖気と冷気を送風するというものです。

従来
全室冷暖房する場合
(人が通常いる部屋だけでなく、お風呂も、トイレも、廊下も脱衣室も)
壁やドアで仕切られてしまうと
冷気も暖気もその部屋に行き渡りませんでした
それを避けるために建具の下部を大きくカットし
床との隙間を大きく開けて空気の出入りを確保したり
ドアの上の壁に開口部を設けたり
建築的な工夫が必要でした。
でも、それは気密が十分とれていなければ、
絵に描いた餅
図面上では冷気や暖気の流れを線にして
このように空気が流れます。と言えますが
実際に空気の流れを作ろうとすると
建物を作る施工技術も関わってきますから結構難しいんですね。
温度差の無い全室冷暖房で
どの部屋も1度以下の温度差にするには
設計上の工夫が必要でした。
それがこのダクト式エアコンを使えば
狙った部屋に冷気や暖気を確実に送れると言うわけです。
今、流行りの床下エアコン
美濃地方ぐらいの気候では
実は2階の床表面温度は1階に比べて低くて
補助暖房が欲しくなるケースが多くあります。
結果的に2階に子供室や寝室が独立してあるケースでは
複数台の補助暖房が必要となります。
様々なケースで検証する必要がありますが、
Q値やUa値、C値が一定水準以上
例えばQ値で1.3以下
Ua値で0.36以下
C値で0.5以下
などの性能を2つ以上満たせば
特別な設計上の工夫をしなくても
このエアコンを使用すれば
相当快適な温熱環境になると予想されます。
マルチエアコン的に使用することになりますが
カタログ価格は10畳用程度で365.000円
16畳のもので528.000円
6畳用の通常の壁かけエアコン複数設置と
金額的にどれくらい差が出るか
また、新商品と言うことで
価格的にはまだこなれていません。
というようなことを考慮しながら
しばらく様子見る必要がありますが
気になる製品です。
もちろんこれはエアコンですから
その他に出来れば熱交換の換気装置も使いたいわけで
工事では1階の天井裏に換気システムのダクトに加えて
エアコンのダクトと言うことになると
相当懐の深い天井裏が必要になります。

暮らしやすさとコストのバランスと効果を検証する必要があり
脳みそには相当汗をかいてもらわなければなりません。

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