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社長ブログケヤキの木の下で

2016年12月23日

必要暖房能力の計算式にC値を組み込んだ 新松尾式計算式

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨夜の強風で
エノキやケヤキの葉が相当落ちました。
朝から二人掛かりで落ち葉掃きです。
さて、前回は建築技術1月号の話でしたが
今回は日経ホームビルダーの1月号
表表紙には大きく
これでいいのか省エネ住宅
と出ています。
さらに
できている?断熱・日射・冷暖房
ということで、
省エネ住宅と称される家の死角を解説しています。
日経ホームビルダー、たしか書店には並んでいなくて
ネットで購入か定期購読だけだったように思います。
となると一般の方の目に触れる機会は意識している人は別にして少なく
簡単に手に取って中身のチラ見もできません。
これでいいのか!
という言葉に
日経ホームビルダー編集部の気持ちが表れています。
この省エネ住宅、指しているのはもちろんZEH
日本の住宅の性能は経産省のZEHによって歪められてしまったと言っては言いすぎでしょうか。
長い道のりの第一歩、
いままでその一歩も踏み出せなかったんだから
踏み出したことに意味がある
もちろんそれは多くの問題を含んでいるけど・・・
という意見も多くありますが
一般の方の目はどうしても
ZEH=エネルギーがゼロになる家(実は調理や家電使用のエネルギーは含んでいないのでゼロじゃない)
や補助金に目や気持ちが行ってしまいます。
ZEHにするための最低ギリギリクリアの性能の家は
思われているほど暖かい家ではありませんから
住んでみて?と思われている方も多いと思います。
以前、エアコンでどれだけの暖房能力が必要かを表す計算式について
松尾式の計算方法を書きましたが
今回新しい松尾式の計算式が紹介されていました。
前回のものより簡単なので紹介すると
必要暖房能力
(Q値+C値/10)xその部屋の面積x(設定温度-その地域の年間最低気温)
Q値もC値も既に死語などと思ってる実務者もいますが
とんでもないことがわかります。
単純にするため100m2(30坪)の家で計算してみましょう
LDKを大きく取り
家全体が一体の空間を構成しているとします。
(空気がどの部屋にもいきわたる状態)
Q値が1、C値が0.3の住宅
美濃地方の最低気温を-5度とします
(1+0.3/10)x100x(20度-(-5))
=2575
つまり2.5kwの定格暖房能力のエアコン1台があれば
この家は冬の一番寒い時に室温20度で暮らせます。
マイナス5度の最低気温になる期間や時期はそれほど多くありませんから
2.2kwのエアコンで十分対応できるでしょう。
Q値が2.7の次世代基準で、C値は5とすると
(2.7+5/10)x100x(20-(-5))
=8000
2.5KWのエアコン3台で少し足りなくて4台必要
Q値やC値がわからなければ計算のしようがないことがわかります。
Ua値だけでは暮らしやすさを科学することはできません。
この式の特徴は熱損失の計算に気密性能のC値を組み込んであるところで
これにより計算上の熱損失から実態により近いものになっています。
ほかにも興味深い記事が紹介されていますから
ZEH予定者はお読みになることをお勧めします。

上記の計算式、記事には書いてありませんが
部分間歇暖房方式ではなく24時間連続暖房の計算式です。

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