社長ブログケヤキの木の下で
2016年9月14日
Heat20 外皮性能グレードに美濃地方を当てはめると・・・
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
ここ数日の天気に振り回されています。
雨か晴れかはたまた曇りか
天気都合で工程がかわりますから
水商売なんて言い方もある建築業界です。
さて、昨日お話ししたHeat20の断熱基準
数字の羅列でなんのことだかよくわかりませんね。
簡単に言うと
表の上にある1から7の数字は
北は北海道から南は九州鹿児島あたりまで
寒い地域順に並んでいます。
左側に断熱の水準があって
H4年基準が一番古い基準
順次基準が強化されて
一番下が昨日お話ししたHeat20 G2
将来の基準になるかもしれない基準です。
数字自体は小さいほうが断熱レベルとしては上になります。
Heat20のG2で
この美濃地方は5地域ですから
数字は0.34(Ua値と言います)
これはH25年基準の北海道の数字0.46よりも下
つまり断熱レベルとしては上なんですね。
ということは
美濃地方では現行の北海道基準の断熱レベルより強化した断熱を推奨していることになります。
じゃあ、具体的にこの数字(Ua値)を0.34にするのに
どれくらいの断熱をいれなきゃならないのか
120m2つまり平均的な家で36坪くらいの家を想定してみましょう。
この数字は
外皮、つまり室内が外気と接している部分から逃げていく熱量を表すものですが
接している部分とは
床、壁、天井(屋根)、サッシ
この4つの部分から逃げていく熱の合計をその面積で割ったものです。
ですから数字を0.34にするために断熱材を厚く
サッシも性能の良いものが必要になります。
簡単にその数字を達成するための断熱材の厚さが出てきます。
(専用のソフトやエネルギー性能消費計算プログラムがありますから誰でも計算できます)
途中の計算式は省略して
Ua値を0.34程度にするには
床:一般的なポリスチレンフォームで厚さ7.5cm
天井:高性能グラスウールで30cm
サッシ:東西南北トリプルサッシ
壁:高性能グラスウールで17cm
現在検討中の建物で計算するとこんな具合になります。
皆さんの現在の常識とは乖離しているかもしれませんが
Heat20が美濃地方で推奨している断熱レベルです。
壁の断熱材は柱の太さと同じになりますから
一般的な在来工法の柱の太さは10.5cm
その上が12cm
ツーバイフォーでは8.9cm
ツーバイシックスで13.8cm
この壁の厚さではどれも
高性能グラスウールを入れて、トリプルサッシを入れても0.34にはなりませんでした。
サッシの数を大幅に少なくすればぎりぎり可能ですが
明るさや風通しのことを考えると美濃地方ではおすすめできません。
コストも考慮しながら
性能やデザインを考える必要があるわけですが
一般の方の意識改革も必要な時代になりました。
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