社長ブログケヤキの木の下で
2025年8月14日
Heat20の新たな評価基準
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
ようやく雨が止みました。
曇り空で湿度は90%以上、
蒸し暑いですが止んでくれるだけで助かります。
お盆休みの間に土場の草刈りと
枯れた木の伐採をしなければなりません。
- さて、Heat20から新たな提案が出ました。
それは 夏季、中間期の性能水準で
「G-A」と「G-B」です。
AとBの違いは、
省エネ基準に対しての冷房負荷の削減率です。
Aがマイナス30%
Bがマイナス40%です。
提案ではこの夏季と中間期の削減を
建築力で対応すべきとあります。
夏季は日射遮蔽で
中間期は外気冷房でとあります。
外気冷房?
初めて聞く言葉ですが
夏以外の時期(中間期)に - 室温が外気より高くなった時、
外気を取り入れて - 室内の冷房負荷を下げることを言います。
簡単に言うと通風ですね。
- 新たな性能水準が出てきた背景はUa値競争です。
窓は小さく
窓は少なく
こうすればUa値は見かけ上よくなりますが、
必ずしも暖房負荷や冷房負荷が
下がるわけではありません。
つまりUa値が下がっても
必ずしも一次エネルギーの消費が下がったり、
温暖化ガス(CO2)が削減できることに
つながらないからです。
たとえ小さな窓でも
日射遮蔽が無くて
日射が直接入るようでは
冷房負荷は増大しますし、
Ua値が良くなった結果、
春や秋と言った中間期でさえ
小さな窓から日射が少し入るだけで
室温が上昇してしまう・・・
これらは、全て冷房負荷を増大させ、
一次エネルギー―を消費し
CO2の排出を増加させます。
- 中途半端なUa値(断熱性)だけの向上では
一次エネルギーの削減や
温暖化ガスの排出削減は難しいんですね。
新住協もPHJも住宅性能の評価の基準は、
Ua値ではなく冷暖房負荷です。
冷暖房負荷を小さくするために
どうするかと言えば、
基本は
断熱や気密をきちんと取り
南向きの窓は大きく
同時に日射遮蔽をする
他にも、東西の窓についても日射遮蔽をする
窓は性能の良いものを使う
必ず冷暖房負荷の計算をし、設計に反映させる
Ua値だけではまだ足りませんよと言うことを
ようやくHeat20から
言っていただけたということでしょうか。
- 新築を検討される方や住宅の設計者は、
この新たな評価水準
「G-A、G-B」も意識する必要があります。
くどいようですが、
Ua値だけの評価の時代は終わろうとしています。
GX志向型の住まいでも
この新たな基準に適合するかどうか
設計者に確認してみてください。
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