社長ブログケヤキの木の下で
2024年3月29日
空冷式の家
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
朝から台風並みの強風が吹いている美濃地方。
家は大正2年で築100年を越えていますから
これだけ強い風が吹くと、隙間から風が入ってきて
家の中でも風を感じる事が出来ます。
(ほとんどがサッシではなくガラス戸なので)
もちろん、ビューとかゴーとか
かなり強い風が吹いているのが
家の中にいても聞こえるのです…
- これが気密がきちんととれている高断熱住宅だと
ほぼ分かりません。
それらの音が聞こえないんですね。
窓の外の木の枝が揺れているとか
木の枝が地面に散乱している
看板が倒れている
田舎であれば近くの竹藪の竹が大きく揺れている
視覚的に見ることができれば分かりますが、
きちんとした性能の家で
それらに気づかず、玄関ドアを開けると
びっくりすることになります。
今気づいたのですが
強風が吹いているけど雨模様。
なので花粉は少ないはずなのに、
鼻水やくしゃみが出るのは
なぜが?
外は少なくても、
外から入ってきた風のせいで
家の中に滞留していた花粉が
舞いあげられたからと思われます。
- この話、築100年越えの
サッシも入っていないような家だからだろう
そう思われるかもしれませんが、実は違います。
以前も少し触れましたが
ちょうど今、築30年程の○友林業の家の
リフォーム工事をしています。
リフォームの場合
現地で打ち合わせになりますが、
1月、2月の寒い時期に
現地の和室で打合せを行っていると、
どこからともなく
風が入ってくるのが分かります。
単板ガラスのアルミサッシ
壁には50ミリの袋入り断熱材
天井も100ミリ
床は25ミリほどのサニーライト
但し、畳が敷いてあると
床には断熱材はありません。
(スタイロ畳なのでという理由と思われます)
これは、普段から断熱改修を行っている
工務店や設計者なら、すぐにわかります。
壁の中に気流止めが無い事と、
そもそも気密という概念が
設計サイドにも施工サイドにも希薄だったこと。
コンセントやスイッチプレートから
冷気が室内に入ってくるのが分かります。
北風が吹けば
その風があたる北側の外壁の外側の
気圧は高くなりますし、
反対の南側の壁の外側の気圧は
低くなります。
間にある家の中では、
それぞれの壁に隙間があれば
北側の隙間からは室内に
空気が押し込まれますし
南側の隙間からは室内から
空気が吸い取られます。
気流止めがありませんから
基礎の換気口から床下に入り込んだ空気は、
外壁や間仕切りの壁の中を通って
1階の天井裏に。
更にまた気流止めの無い壁の中を通って
小屋裏に抜けていきます。
そして、小屋裏の換気口から
外へ逃げていきます。
ある意味、空冷式の家が出来上がっています。
- 30年前でも一級建築士はいましたし、
大手のHMもありました。
カナダのR2000住宅も、既に日本に入ってました。
なのに空冷式の家…
でも、なぜだか当時の大半の家はあのレベル。
残念ながら、
今でも30年前とほとんど変わらない家が
毛の生えた程度の家が建てられているのが
日本の現実です。
今までのやり方を変えるのが面倒
客がそんなことを望んでいない
寝た子を起こすな
間取りとデザインと価格
家なんてこれで十分・・・
結果は、何百万戸もの余った家。
お祖父さんの土地建物がまだある
実家である両親の土地建物もある
なのに新しく土地を買って、
間取りとデザインと価格だけの家を建てる、買う。
- 問題ははっきりしてます。
上記の事は住まい手側の責任ではなく、
工務店、HM、設計者
つまり住宅業界の責任です。
一口に住宅業界といっても
大手から個人まで何万もあります。
経営理念も違いますし、社長の考え方も同様です。
どういう考えで
住まいを設計しているか
建てているか
会社ごとに異なります。
耐震、断熱、気密、換気が
住宅の基本的な性能
どんな考えの会社を選ぶかで
ほぼ全ての事は決まってしまいます。
亡くなって久しいですが
作家であり実業家でもあった邱永漢さんは
長期投資を基本としてました。
投資する時は、
必ずその会社を訪ね
社長の話を聞いて
投資するかしないかを判断されたとか…
これからの時代
住まいもある意味投資です。
工務店を訪ねた時、
営業担当者や設計担当者ではなく
社長と直接話をすることが大切です。
どういう考えで
その会社は家を建てているのか
それは社長次第なのですから。
上記の基本的な性能を
一つ一つについて聞いていくと
社長によって考え方はそれぞれ異なりますが、
何人かに聞けば
何が大事なのか
凡その事は分かります。
担当者ではなく
社長と話すことが大切です。
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