社長ブログケヤキの木の下で
2010年9月8日
寒い洋間
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
久しぶりの雨ですね、
お盆以後降っていませんから
3週間ぶりという事になります。
造成工事はストップしてしまいますが
からからに乾いて土埃が舞ってましたから
いいお湿りになりました。
さて、坂祝町のM様邸
解体工事が始まりました。
今週一杯解体工事の予定です。
今日はここ30年ほどの間に建てられた
木造の家が寒い理由のご説明です、
今回のM様の家をお借りしてお話ししますね。
いま、家を新築されようとお考えの方たちが
子供の頃住んでいたような家です。
この建物はこれ以前の柱を見せる真壁造りの家から
生活スタイルが洋風になってきたため
洋間が作られるようになったころの建物です。
この土壁の家の洋間と言うのが
とても寒い部屋になります。
壁を見てみましょう、
洋間の部屋はこのように
床はフローリング
壁にはプリント合板が貼ってあることが多いと思います。
壁は土壁ですから
胴縁(どうぶち)という桟を柱に取り付けて
プリント合板の下地にします。
そうすると、
土壁とプリント合板の間に隙間が出来ます
横から見るとこのようになっています。
プリント合板の下地である胴縁は
土壁に接してはいませんから
プリント合板と土壁の間の空気は
自由に動く事が出来ます。
天井と壁はどのように接しているでしょう。
上の写真のように
天井は壁まで伸びていませんから
壁の空気は天井裏の空気(外と同じ空気)と一体と考える事が出来ます。
床はどうでしょう。
この部屋は2階にある部屋ですから、
床の下は1階の天井裏になります。
床と壁の取合いに隙間がなければ
壁の裏にある空気は
1階の天井裏まで到達できませんが・・・・
残念ながら、このように隙間があります。
右側が壁の土壁
上に縦に伸びているのが柱
柱の上の白いスジがプリント合板の断面(厚さ 約3ミリ)です。
さて、まとめてみましょう
2階の洋間の壁は
土壁とプリント合板の間に空間があり
その空間は1階の天井裏の空気とつながっています。
同時に2階の天井裏の空気ともつながっているようです。
もし、1階に同じような洋間があれば
1階の天井裏は全てつながっているので
床下ともつながっていると言う事になります。
2階のこの洋間
壁は3ミリのプリント合板
天井はジプトーント呼ばれる12ミリのボード
床は12ミリのフローリング
断熱材はどこにもありませんから
床、壁、天井がこの材料で
冷たい床下の空気(外気)と天井裏の空気(外気)と接している事になります。
特に壁は3ミリの合板で
外気と接する事になりますから
中でいくらストーブを焚いてもすぐに冷えてしまう事でしょう。
むしろ昔のままの真壁でしたら
壁は漆喰で仕上られ、
床下や、天井裏の外気がさえぎられますから
この洋間より温かかったと思われます。
最近のリフォームで
和室を洋間にされる方が増えてますが、
ただ、壁にプラスターボードを貼ってクロスで仕上げ
床はフローリングにするだけでは
この部屋と同じ部屋を作る事になります。
では断熱材を入れればいいかと言うと
それでは断熱材が黴だらけになってしまいます。
そこのところをきちんと理解している工務店でないと
せっかくのリフォームが台無しになってしまいますから
どのように工事をするかよく確認して下さいね。
それでは
皆さん、また明日。
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