社長ブログケヤキの木の下で
2014年6月13日
質量の大きな家の可能性
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
ここ数日の蒸し暑さや
思わぬ労働(早い話が工場でのプレナー掛け)で
肉体的な疲労がかなりたまり
チオビタドリンクにお世話になっております。
そうは言いつつ
食欲と酒欲はいつもどおりですから
単なる怠け者かもしれません。
さて、
この暑さ(まだ本格的ではありませんが)
肉体的には相当こたえるわけで
なんとか
夏、涼しい家を
誰もが欲しいと思うのは当然ですが
この場合の
「涼しい」は人によって定義が違う
エアコンかければOK
という人から
なるべくエアコンは使いたくないけど
必要な時は躊躇せずという方
自然派の中には
汗をかいてもエアコンはNG、通風のみで涼しさを感じる
という精神修養を楽しむ人も
いろいろありますが
日本古来の土壁の家って
ほんとに涼しいか
4年ほど前に建てた土壁の家で検証した時の写真です。
当時もお話しましたが
土壁の質量
簡単に言えば重さは現在の住宅と全く異なります。
現在の住宅の壁は厚さが12ミリのプラスターボードが貼ってあり
その上にクロスや珪藻土を塗って仕上げてあります。
壁の中身は外壁には断熱材が入れてありますが
部屋と部屋との仕切りの壁はプラスターボードが貼ってあるだけ
つまり外壁にはPBが一枚
間仕切り壁には2枚貼ってある。
これに対し
土壁の家の壁の土の厚さは内外ともに60ミリ
これに中塗り、仕上げに漆喰を塗るから
厚さは70ミリ程度になる。
ドライヤーの熱風で
同じ面積の
12ミリのプラスターボードを暖めるのと
70ミリの土壁を暖めるのと
どちらに時間がかかるか
70ミリは12ミリの約6倍の厚さがあるわけで
暖めるのにもそれだけの時間がかかる
実際の生活の中では
土壁がPBと同じ温度になる前に日が暮れてしまうから
土壁の温度は低いままということになる。
9月のまだ残暑が厳しい時期
真南に向いた土壁の家
外気温
35.4度
1階北側の外壁の室内側の表面温度
26度
2階
建物の中心部、ほぼ真ん中の部屋の間仕切り壁の表面温度
27度
2階 東側の外壁の室内側の表面温度
31度
2階
南側の外壁の室内側の表面温度
33度
室内温度
32.9度
撮影日時は
2010年9月4日 朝9時54分
既に外気温が
35度を超えていても
室内北側の壁は26度
一般に体感気温は
室内空気の温度と
床、壁、天井の表面温度を足して割ったものになりますから
壁の温度が低ければ
体感気温も低いわけで
この北側の部屋なら涼しく過ごせそうです。
でも室内気温は32度を超えてますから
扇風機は必需品
まだ朝の10時の時のデータですから
これがお昼の2時頃となれば
また環境は変わります。
もちろんもっと暑くなるわけで
今年はそのデータ取りをお願いしなければなりません。
現在の家の壁の質量が7倍ある土壁の家でこのデータです。
これからの住宅のあり方を考える上では
とても参考になります。
質量の大きな家で同時に断熱性を持たせれば
新しい夏の家の可能性が見えてきます。
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