社長ブログケヤキの木の下で
2011年6月1日
釿(ちょうな)
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今日も一日雨模様のようですね、
5月の連休明けには
花粉症の症状も治まり、
今期はこれでお仕舞と思っていたら
またぶり返してティッシュが手放せません。
さて、丸太梁の交換
交換する丸太と
新しく入替える丸太は
当然、形やサイズが違います。
丸太のむくり具合や左右の曲がり具合も違いますが
中間に建つ束のホゾの位置や
柱との接合位置は決まっています。
と言うわけで
取り外した丸太から
その位置を新しい丸太に転記して
ホゾと仕口を作ります。
丸太の上部は丸くなってます(当たり前ですね)
丸い部分に立つ束の底は平たいので
その部分は釿(ちょうな)で削って水平にします。
日本の松の丸太を地松といいます。
最近は集成材や杉、米松といった
四角い材料を使うことがほとんどで
地松の丸太を使って屋根を組むことも
ほとんどありません。
丸くて、むくっていたり、
へこんでいたり、曲がっていたりする自然な丸太を
巧みに建築に生かしてきた大工の技術も
最近の若い大工さんには伝わっていません。
どの材料も四角くなってますから
丸太に墨をつけることの出来る大工さんはどれだけいるでしょう。
古い家の改修などの機会があっても
丸太ではなく四角い集成材を使って
改修されればやはり覚える機会は激減します。
設計者は強度を考慮しつつ
技術や道具の伝承といった意味合いからも
機会があれば丸太を使って補修をして頂きたいですね。
地松は加工し易く油分が多く
粘りがありますが乾燥するにつれ
ねじれていきます。
そのため、柱のように立てては使わず
梁や桁のように横にして使います。
小屋裏のように屋根で使うものは
屋根の荷重を支えるため凸型にむくったものを
使う場合がほとんどです。
この場合、凸型梁の両端には
外へ押し出す力が働きます。
しかし、
使う場所によっては
外へ押し出す力をかけたくない場合があります。
その場合凹型のものを使うと
その梁の両端には
中へ引っ張り込む力が働きます。
昔の大工さんはそんなことまで考えながら
木遣いをしてましたが
このことを知ってる大工さんは
今では数えるほどですし、
そういうことに興味をもっている
設計事務所の先生はほとんどいません。
さて、梁を取り外している時に
ちょっとしたハプニング
梁と柱の間に冬眠中?のへび
丹羽大工さんが
差し金で取り出し、
首を持って畑に離してあげました。
それでは
皆さん、また明日。
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