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社長ブログケヤキの木の下で

2022年4月27日

温故知新の屋根

​​​おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は大雨の予報でしたが、小雨がパラリの美濃地方。
きょう午前中は50%の降雨確率、
午後は0%で明日は晴天、
明後日は大雨の予報、
ということで、本日の建前は決行となります。
仲間内の工務店の多くと同じく、
紙太材木店でも屋根は二重の垂木となっています。
二重にして屋根面に空間を作るのは、
熱と水蒸気の通り道を確保するためです。
そのため建前は通常、二日間。二日目が屋根工事となります。
垂木を二重にするなんて手間もコストもかかるわけですが、
性能表示制度の中の評価項目にも、
住宅の劣化の軽減あるいは低減というものがあります。
より長い期間、安全、安心に住んでいただくためには、
必要な措置と思っています。
一般の方でも
外壁は通気しなければと理解されている方が多くいらっしゃいますが、
外皮となる屋根面でも同様であると
考えればお判りいただけるかもしれません。
特に高性能な家づくりをしている工務店や設計事務所では、
水蒸気のちょっとした出入りが
住まいにダメージを与えることを
知っていますから、水蒸気が漏れた時の逃げを確保しています。
2重垂木はそのためのものでもあります。
さて、そんなことを言うと
昔の家はそんなこと気にしなくてもよかったのだから、
今の気密やら断熱を必要とする家に問題がある。
昔ながらの家で十分とお考えになる方もいるかもしれませんが…
以前、修理中の神社を見学させてもらった時、
檜皮葺きの屋根の工事をしていました。
その時気になっていたのが
何層にも重なった檜皮にしみ込んだ水はどうなるか?
表層は天気が良ければ乾きますが
下層にしみ込んだ水分の行先はどうなるか?
どうすればいいかを考えると
誰もが思いつくかもしれません。
檜皮の下に空気層を作れば
表面から下層にしみ込んだ水は
空気の流れる層で乾く、ということになります。
実際調べてみると
檜皮の葺きやよく似た杮葺きも
その下の層に何らかの空気の通る層があります。
つまり、両面で乾かしているわけです。
古来、格式のある神社は檜皮葺きの屋根でした。
火事で焼けたり、何度か建て直しをしてますが、
基本は前と同じ建物を再建築。
伊勢神宮と同じと考えていいでしょう。
下の写真は
橿原神宮外拝殿に置いてある檜皮葺きの見本です。



檜皮の下には空気の通り道があります。
古くから、日本の建物の屋根には
空気や水蒸気の通る空間が造ってあったわけで、
最近までそのことを忘れていたのが日本人ということになります。
神社の修理の見学に行ったのは10年以上前ですが、
温故知新の旅となりました。
以後、紙太材木店の屋根は垂木が二重となっています。

もちろん
​垂木が二重なので
ルーフィングも二重ということになります。

上の写真の垂木の上にルーフィングが敷かれ
その上に野地板を張り、
もう一度ルーフィングを敷いて
屋根仕上げ材となります。
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