社長ブログケヤキの木の下で
2022年3月4日
ピーラーが…
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
3月になりましたが
今朝はマイナス2度の美濃地方。
日中は気温が上がりそうですが、朝はまだ冬のままです。
さて、ピーラー。
果物や野菜の皮を剥くときに使うものではありません。
破風や鼻隠し と言っても分かり難いでしょうか…
屋根についていて、
雨がそのまま落ちてこないように軒先に樋がついてますが
その樋の裏側についている板を鼻隠し、
破風は…画像検索でお願いします。
その板に使う材料は
目の細かい米松を使いますが、それをピーラーと言います。
古い日本家屋では主に桧を使いました。
近年は米ヒバも加わっていますが、これは美濃地方の話。
昔から杉というところもあると思われます。
同じ美濃地方でも、郡上あたりは杉かもしれません。
紙太材木店ではこの破風、鼻隠しにピーラーを使います。
伊礼さんの家の外観 をご覧いただくと、
あんな感じねと
なんとなくイメージいただけると思います。
一昔前の住友林業の家でもよくピーラーが使われていました。
ピーラーのもともとの地の色がオレンジ系であることや
塗料の吸い込み具合から
キシラデやノンロット、
あるいはガードラックのオレンジ系の色を塗ると、
ほぼ何十年も再塗装する必要がありません。
つまりノーメンテナンスで大丈夫。
それと、デザイン的にも
様々な外観にそれほど違和感なく合いましたから、
重宝している素材です。
しかし値段が・・・
私の記憶では
7.8年前はm3単価が30万から35万。
ウッドショック前が、50万から55万。
昨日聞いたら85万から90万…
ピーラーはそのまま使える製品としてあるわけでなく、
鋸で挽いた板状の材として購入しますから、
大工さんが鉋をかけて仕上げの加工する必要があります。
破風だけでなく、ガラリ戸や戸箱にも使いますから
ここまでの価格上昇は頭が痛い。
フローリングやデッキ材も多くは輸入材ですから、
国産材へのシフトが急速に進むと思われますが、
気になるのは国力の低下。
国内に売るより、海外が高く買ってくれるなら
そちらへというのが資本主義の世。
韓国や中国では日本の木材の評価が高いですから、
高値で買ってくれるとなればそちらへとなります。
これって典型的な途上国経済。
ウッドショックのさなかの昨年、
秋田港では中国向けの杉の丸太が山積みされていると
西方さんが言っていました。
日本の住宅も、グローバルな世界経済に否応なく引きずり込まれます。
誰もかれもが土地を買って家を建てる時代は、
古き良き時代となりつつあります。
中古住宅を購入しリフォームでという時代が
すぐそこまで来ています。
そんな時代の幕開けにこれから家を建てる方は、
どんな家を建てるか、それなりの覚悟が求められます。
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