社長ブログケヤキの木の下で
2022年5月2日
エビデンス
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝は7.5度の美濃地方。
キーボードを打つ手が悴んで、指がいつものように動きません。
5月なのにエアコンで暖房してる事務所です。
今朝の日経新聞に
低学歴国,ニッポン
博士減 研究衰退30年とありました。
欧米や韓国に比べ、
100万人当たりの博士号取得者が半分以下。
英国に比べると30%ほどしかありません。
また、2008年と比較すると、
2018年時点で博士号取得者が減少しているのは日本だけです。
数年前、新住協の理事(現顧問)の金子建築工業の金子さんから
ドイツでは工務店の親父は
ほとんど博士号を持ってるとお聞きしました。
(金子さんも東大の博士号をお持ちです)
ドイツや欧米では
人が一番長く居住する住宅こそが、
最も科学されなければならないという考えがあります。
住宅は形や大きさ、間取り、配置、方角
住む人数、住まい手の要望、法の規制など千差万別ですから、
そこでの断熱や気密、換気、エネルギー消費の在り方も
杓子定規な基準や規定だけではクリアできません。
必然的に
現代の新築の住宅に求められる設計も、
高度に解析されエビデンスのあるものであるべきである。
という、社会的な圧力が出てきます。
それに対応する形で工務店側が変化しているとみるべきでしょう。
日本ではまだそこまでの社会的圧力はありませんが、
これからの住宅に対する時代の流れや変化を見れば、
遠からず工務店も変化せざるを得なくなるでしょう。
その意味では
型式認定で日本全国同じ建物と言うのは、
難しくなるんじゃないでしょうか。
そんな中で、
今現在住まいの新築を検討されている方はどうすればいいか?
設計者の主張や考えに対し、
正確性、客観性を担保するエビデンス(根拠、裏付け)を求めること以外ありません。
特に、換気や住まいの温熱環境はとても大切ですから
なぜ、その設備でならなければならないか
メンテナンスはどうなのかなど
そのエビデンスを確認する必要があります。
30歳で家を建てれば恐らく40年、50年と住むことになります。
特に換気装置は今現在の日本では
一種の全熱交換のタイプのものを取り付ければよしとする
設計者や工務店、HMがありますが、
欧米並みに長期にわたるメンテナンスを考慮した
きちんと施工できているところは
数えるほどしかありません。
難しいのはきちんとやってるところは少ないので
そうじゃないところに聞いても、
きちんとやってるという答えしか得られないところでしょうか。
熱交換しているところだけを強調しているようなら、
眉に唾をつけて話を聞く必要があります。
その意味では
現在の日本の住まいの換気は科学されていませんし、
発展途上中ということになります。
設備機器はいつの日か故障しますし、
壊れて交換することになります。
そのことをくれぐれもお忘れなく。
性能的に100点満点の住まいは、まだありません。
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