社長ブログケヤキの木の下で
2010年6月16日
下見板貼り
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
やはり、梅雨ですね、
昨日は朝のうちは日が差していましたが、
午後からは雨、
少し、蒸し暑いぐらいでした。
さて、昨日のお話しの続き
松田大工さんが作っているのは
玄関脇の腰板で、
下見板貼りといいます。
鎧貼り、ドイツ貼りなど
いろいろ呼び方があります。
本当は、下見板貼りとドイツ貼りは違いますが
重ねて貼ってあるので
同じように見えます。
今回作っているのは
伝統的な下見板貼り
椹(サワラ)の木を使っています。
材料はその他にも、杉や桧、なども使用しますが
今回は椹(サワラ)です。
先ず、押えになる桟を作ります。
貼っていく板の厚みと幅に合わせて段が出来ています。
横から見ると
こんな具合に出来ています。
最初にこのように枠を組んでおきます。
そして、
鉋(かんな)をかけて削っておいた椹(サワラ)の板を
このように段にあわせて貼っていきます。
横から見るとこんな具合に
板と板が重ねてあります。
見えている写真は裏側になります。
表面になる化粧仕上げの面には釘やビスは打てませんから
全ての材料は裏側から固定します。
表面にキズをつけないようにダンボールの上で作業をします。
組みあがった下見板の表を起こすと
先ほどの裏側のざらざらした面とこんなに違います。
鉋(かんな)をかけるとこんなにきれいになります。
玄関廻りの腰板になりますから
玄関の両脇に幅の違う下見板を何組か作り
取り付けていきます。
下見板の上端には雨が入らないように
笠木をこのように取り付けていきます。
さて、
笠木が取り付く出隅の柱の部分がこのように
斜めに削ってあります。
しかも、両角共ですが
なぜだかお分かりでしょうか?
同じ柱の南側と
西側です
ちょっと見にくいですが
この写真を見ると
出隅の柱だけでなく
玄関の柱も少し削ってあるのがお分かりでしょうか?
このように仕上がってしまうと
分かりませんね。
柱には背割りという割れ目を鋸で入れます。
四角い柱に縦に表面から中心に向って割れを入れます。
これは、化粧で仕上がっている
柱の表面に乾燥によるひび割れを
起こさせないようにするためのものです。
木は乾燥すると収縮します。
背割れをつけておかなければ
柱の4つの面全てにひび割れがおきますが
一つの面に背割れを入れておくことで
他の面にひび割れがおきることを防いでいるのです。
柱の中心まで背割れが
入ってますから乾燥して収縮しようとすると
縮もうとしますから、
背割れの割れが大きくなります。
つまり真四角の柱の形が変形する事になります。
その柱に、笠木をぴったりとくっつける必要がありますから
変形している分だけ削り取ることになります。
柱を薄く削った分は
柱が乾燥して、真四角から少し変形している事を
あらわしています。
今日は、少しお話しが長くなってしまいました。
なかなか分かりやすくお伝えする事が出来ませんが、
より分かり易いお話が出来るようにしなければと
痛感しております。
荒壁の家や大工さんの仕事にご興味のある方は
今週末、20日の日曜にこの荒壁の家の工事中見学会を
開催しますので、HPよりお申込下さい。
それでは、皆さん
また明日。
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