社長ブログケヤキの木の下で
2013年2月6日
結露するサッシとしないサッシ
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今月の新建ハウジングプラス1に
興味深い表が出てます。
以前、ぎふ木造塾で講師をしていただいた松尾さんの記事ですが
一般の方にも分かり易く説明してみましょう、
さて、これがその表です。
いまや国産の大手サッシメーカーは
YKKap、Lixil、三協立山の3社に集約されてます。
それぞれのメーカーが数種類のシリーズのサッシを出しているわけで
大手ハウスメーカーから小さな工務店まで
ほとんどがこの中のどれかのサッシを使うことになります。
この表からみると最上段のAPW330に始まって、
最下段のマティオJまで全部で13種類あります。
注目して頂きたいのは
赤丸や×の付いた数字
最低部位表面温度の項目です。
これは
部屋の中の温度が20度
屋外の温度が0度
湿度が50%という設定の時に
サッシの枠やガラスの表面温度の一番低い個所の温度を示しています。
その温度は
APW330であれば11.3度
エピソードであれば4.6度
シンフォニーやマティオJにいたっては3度!
これはもう室温が20度でも外気とほぼ同じ温度の冷たさ・・・
では
赤丸や×は何の意味かと言うと
室温20度、外気0度、湿度50%の時の露点温度、
(この温度以下になると結露しますよという温度)は
この場合9.27度
この9.27度よりサッシの表面温度が低くなってしまうものは×、上なら赤丸
つまり×印のついたものはサッシが結露する事になるわけです。
ペアガラスですから大丈夫ですよ、とか
アルミ樹脂の複合サッシですから結露はOK
というわけにはいかない事が分かります。
健康住宅や、体に優しい家を謳う家で
どんなサッシが標準採用されているかを見れば
合理的な、科学的な考えに基づいた家かどうかは自ずと分かってしまいます。
自然素材で体に優しいけれど
結露はしまくり・・・
問題はここから先、
これらの日本の上位シリーズのサッシでさえ(赤丸印)
ヨーロッパや中国、韓国では最低機種
まして、
×印のついたシリーズにいたっては販売禁止
(つまり性能悪すぎと言う事です)
日本のサッシの性能を
多くのこれから家を建てる人達がが知りません。
家の中の熱、
エアコンやファンヒーターで暖めた熱の40%が
サッシから逃げていきます。
サッシの面積は壁や天井、床を合わせた面積の10分の1程度なのに
40%も逃げていきます。
壁や天井の断熱材も大事ですが、
性能のいいサッシを選ぶこともとても大事です。
さて、
もう一点注目して頂きたいのは
表の一番右の枠・障子の欄です。
アルミ樹脂複合とPVCとあります。
アルミ樹脂複合は室外がアルミでできていて
室内側は樹脂で出来ていると言うサッシ
PVCは全て樹脂で出来ているサッシ
お気付きでしょうか
赤丸印は全てPVCサッシ
アルミが一部でも使ってあれば
結露することになります。
と言って、木製サッシなら大丈夫と言うわけではないことが
むつかしいところ。
室内の絶対湿度が高ければ
どんなものを使ってもほぼ結露します。
結露の話になると長くなりますから
いづれまとめてみたいと思います。
今回は日本のサッシの性能についてでした。
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