社長ブログケヤキの木の下で
2015年6月17日
古い民家の再生 差し鴨居を入替えた春明の家
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
梅雨なのに本日も気持ちのいい朝
大雨の地方には申し訳ないくらいです(^_^)
さて、春明の家
先日は差し鴨居の持ち上げ、
背の高さが30cm以上ある大きな鴨居で
広い開口を取るときに屋根や2階の重さを支えるために入れてあります。
今、普通に建てられている木造軸組工法では使われることはほとんどありません。
上の写真、正面に見える鴨居を上に持ち上げます。
手前の部屋は元は玄関で土間になっていたところ
床より40cmほど低いので
鴨居も低くて良かったのですが
現在の機能的な生活スタイルに合わせるため持ち上げることになりました。
古い木造住宅の場合、
架橋構造(基本的な骨組み)は出来るだけ尊重する必要がありますから
位置を変えることは大規模な再生工事でもあまりありません。
と言って、顔の高さに梁が来るのも不便ですから
上に移動していただくことになります。
サポートやジャッキで周辺を支えながら
束を持ち上げる高にでカット
右の柱をずらして
梁を引き抜きます。
大黒柱の持ち上げる高さのところに再度ほぞを掘ります。
柱が真っ黒なので鉛筆では線がでませんから
テープを貼って彫るラインがわかるようにしておきます。
100年経ってもこの梁、随分重いんですね
4人プラス私で持ち上げます。
大黒柱側に先に差込み
反対側の柱を掛矢(大きな木のハンマー)で打ってほぞに入れます・・・
ところが入りません。
木は乾燥するときに収縮したり曲がったりします。
大きな木ほど動きも大きいのですが
柱のほぞに入っていると
曲がりたくても曲がりませんが
一旦外すとすぐに曲がり始めます。
この差し鴨居も背の高さが30cmほどありますから
外してすぐに曲がってしまいました。
1cmほど傾いているわけで
これではそのままではホゾ穴にはいりません。
と言うわけで
大黒柱側に鴨居を差し込んで固定して
差し鴨居をテコの原理で曲げます。
と言っても簡単には曲がってくれませんから
実は3人がかりでこの腕を引張ったり押したりで
ようやく入れ込むことができました。
最後は大黒柱側でボルトで引き
反対側を掛矢で叩いて納めます。
ようやく完了
差し鴨居の入替え
外したらすぐに入れ替えなければなりません、
今回のようにすぐに入れても1cm変形してます
2.3日置いておいたらその変形は倍以上で
とてもその鴨居を取り付けることができなくなってしまいます。
出来るだけ昔の使用してある材料を使いたいですし
重量もあるので最低4人は必要です。
毎回駆り出されますが
写真も撮らなくてはならず
汗だくの一日でした。
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