社長ブログケヤキの木の下で
2015年11月4日
木造土壁の断熱改修の優先順位
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝は冷え込むとの予報でしたが
8度ちょっとの川辺町
体が慣れてきたせいかそれほど寒さは感じません。
とは言いながら今月からマキコDXの出番、
今朝も早速働いてもらってます。
さて、
本日は東京から新築のお客様のご訪問があります。
紙太材木店では残念ながら東京では建てていないのですが
相談したいことがあるとのことで来社予定
どんなご相談になるかわかりませんが
田舎者にとって東京からというとそれだけでなぜだかワクワクしてしまいます。(^_^)
この連休は新築の他に大型のリフォームの打合せが2件ありましたが
共に断熱改修が含まれています。
田舎のことですから木造土壁なのは当然として
大きさも50坪程度ありますから
家全体を断熱するのは予算的にも制約があります。
建ててから30年ほどですので
外観は重厚で典型的な日本家屋、
傷みもありませんから外まで手をつけると際限なく広がってしまいます。
お子さん達も独立してますから住んでいるのは少人数
生活スペースもLDKプラス寝室で完結してしまいますから少なくて済みます。
Q値計算(家から逃げていく熱)をしてみると
Q値14(美濃地方の基準は2.7)
外皮平均熱貫流率は3(同上基準0.87)
というような、
恐ろしい数値が出てきます
これを最低でも現在の水準まで
紙太材木店では普通はそれ以上にする断熱改修ですから
工事のしがいがあります。
と言うのも、
キッチンに100万円ほど余計にお金をかけて、
半年経って「いいキッチンにして良かった~」という人は会ったことありませんが、
断熱性を上げた人は「良かった~」と満足する人が多くて
何年経っても行く都度に「良かった~、あったかい~」と言ってもらえるんですね(^_^)
これはただ単に暖かいということではありません、
今の基準のQ値2.7程度にして気密や換気を無視すれば
そこそこ温まっても膝から下が寒かったり
あるいはエアコンだけでなく灯油のファンヒーターも
ということになれば以前よりも暖かくなったとしても
期待通りという訳にはいきません。
断熱材を厚く入れたり、ウレタンの吹付断熱材を入れればそれで終わりというわけではありません。
断熱改修とは
Q値や外皮の平均熱貫流率、
日射を考慮し自然温度差も計算した上で
断熱材をどうするかや換気と気密まで考慮する必要があります。
木造土壁の断熱改修の場合
優先順位の1位は天井、床
いつもは窓から逃げていく熱のことを言ってますが
在来木造土壁の場合は天井です。
特に和室の場合、天井は薄い2~3ミリ程度の板である場合が多く
窓から逃げていく熱より遥かに多いんですね。
温まった空気や水蒸気は天井の隙間からいきよいよく逃げていきます
熱気球には人が乗れるほどの浮力がありますから
想像していただけると思います。
隙間も塞ぐことが肝心です。
逃げた空気の分だけ床面に近い隙間から外気が入ってきますから
膝から下が冷たくなります。
天井、床の断熱、気密の大事さがわかります。
次が壁
大壁の場合床下、屋根裏の空気と一体になってる場合がほとんど
これも天井と同じ理屈です。
大壁なら下地は3ミリ程のベニヤの場合がほとんど
3ミリのベニヤの向こうは外気ですから
いくらストーブを焚いてもすぐに冷えてしまいます。
真壁でジュラクや漆喰がそのままの仕上げで
外気に接している場合
土壁の厚みは4cm、厚くても5cm程度
自然派の工務店の中には土壁は暖かいと主張される方もいますが
土壁の熱伝導率は0.69W/m.K
10Kの一番安いグラスウールでさえ0.05W/m・Kありますから
土壁の断熱性は一番安いグラスウールの13分の1
高性能グラスウール16Kなら0.038W/m・K
これと比較すれば18分の1の断熱性しかありません。
なぜ暖かいのか数字では理解できません。
もちろん、ガンガンとストーブを炊けばこれでも暖かくなりますが
電気代や灯油代は随分かかります。
次にここでようやく窓です。
もちろんここまでの順位の中には気密も含まれています。
水蒸気と空気の移動を防がなければ
不具合がでてきます。
そして最後に換気
詳しく書きませんがとても大事だということだけ覚えておいてください。
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