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社長ブログケヤキの木の下で

2024年6月28日

可変調湿シートから・・・

 

  • おはようございます、紙太材木店の田原です。
    昨日は全館空調講座で豊橋でした。
    西紋建匠の西さんや夏見工務店の夏見さんとは
    KKBも一緒でしたし、
    お二人は翌日のMOKスクールも。
    MOKスクールは申し込みしていたのですが、
    こちらの宿題で手一杯で出席できず・・・

 

  • さて、昨日の講座の中で
    森林文化アカデミーの辻充孝先生が最近出された
    「ぜんぶ絵でわかるエコハウス」が紹介されていました。
    実務者には結露計算ソフトで
    お世話になってる方も多いはず。
    先生の講義に出て宿題を提出すると、
    ご褒美に配布されるあれです。
    空調設計では顕熱だけでなく、
    潜熱つまり水蒸気の持っているエネルギーを無視できません。
    簡単に言うと、気温と湿度です。
    最近、夏型結露対策として
    利用が広がる可変調湿シート
    夏に壁の断熱材の中に溜まった
    水蒸気を室内側に通してくれるシートです。
    もちろん、冬には室内の水蒸気は通さず、
    気温と湿度がある一定以上になると
    通してくれるという優れモノです。
    新住協の理事でもある夢建築工房の岸野さんから
    2.3年ほど前にお聞きした話、
    「これを使うと、蒸し暑くなるんですよ」
    当然と言えば当然なのですが、
    水蒸気は蒸気分圧の高い方から低い方に流れます。
    冬は室内の方が高くなりますから
    壁の断熱材を通って外に移動しようとします。
    もちろん、移動すると断熱材の中で結露しますから、
    それを防止するために防湿シートが張られています。

 

  • 夏型結露対策で壁の中の水蒸気を逃がしてあげる
    その行き先は
    エアコンで除湿した室内なのですから
    当然、部屋の湿度は高くなるわけです。
    その時、どれだけ水蒸気が室内に入ってくるのか?
    それを知ることは、空調設計には欠かせません。
    と言うことで
    上に紹介した辻先生の結露計算ソフト。
    実は「ぜんぶ絵で見るエコハウス」を買うと
    オマケでダウンロードできます。
    それを使うと、
    どれだけ水蒸気が入ってくるか計算できます。

 

  • 因みに一般的な
    ポリスチレンフォーム(0.2mm)で
    300m2の外壁からは
    一日当たり0.3L
    約300g入ってきます。
    可変調湿シートを使うと
    17.2L
    約57倍の水蒸気が入ってきます。
    エアコンで除湿しても除湿しても換気に加え、
    壁からも水蒸気が入ってくるということになります。
    断熱性能を上げ、気密もしっかり取り
    高性能にすればするほど、
    あちらを塞げばこちら
    こちらを塞げばあちら
    そんな具合に次々と課題が出てきます。
    断熱性能等級は6を越えた
    Ua値は0.4以下だ
    気密は0.5を切ってる
    でも、蒸し暑い・・・
    高性能になればなるほど、
    住まいは水蒸気との戦いになります。

 

  • ご興味のある方は辻先生の本を購入して、
    結露計算ソフトで計算してみてください。
    水蒸気が入ってくることは分かっていても
    どれだけ入ってくるかが分かりませんでしたが、
    このソフトを使うと
    数値として把握できますから後は対策です。
    高性能な住まいをお考えの方ほど、
    夏の湿度対策を
    きちんと理解しておく必要があります。
    透湿性のある断熱材を使う場合も同じです。

 

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