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社長ブログケヤキの木の下で

2018年10月29日

陰翳礼讃(いんえいらいさん)


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
予報では今週から朝晩の冷え込みがいよいよ本格化するとか
美濃地方でも10度を切るようです。
日中も次第に寒くなると日差しが恋しくなるものです。
さて、
住宅の場合
敷地条件によっては南北に細長い敷地に家を建てるケースもあります。
特に市街地では土地の条件が限られますから
意外にそんなケースが多くなるものです。
そんな条件でも設計者に求められるのは
日差しと明るさの二つで
様々な工夫が必要になります。
南北に細長いということは
南に向いた家の幅が小さくなり
東や西に向いた幅は逆に広くなります。
市街地で細長いということは
西も東も隣地が迫ってきているということで
空いてるのは幅の狭い南だけ
南にはできるだけ開口部
つまり窓を設置したいのですが
空いてるのが南だけということになると
玄関も南、耐震性を考えると窓だけと言うわけにいかず
壁も無ければなりません。
そんなバランスを取りながら設計するのですが
一般庶民の生活は電灯が普及するまではランプや蝋燭の生活
日本人のDNAの中には住まいの中にそれほど明るさを求めていないのでは
と感じることもあります。
谷崎潤一郎の陰翳礼讃などを読むとなるほどと納得できるところが多くあります。
日頃は日射取得が大事、自然温度差も大事と言ってますが
条件が限られれば臨機応変に考える必要があります。
日本人の美意識の根底にある陰翳も意識しつつ
限られた条件の中でも性能の高い家を作っていきたいものです。

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