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社長ブログケヤキの木の下で

2018年11月12日

金澤町屋研究会 MOKスクール研修

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おはようございます、
紙太材木店の田原です。
週末はMOKスクールの研修で金沢
金澤町屋研究会​の坂本先生(金沢美術工芸大学)の講義と
修復された町屋3軒の見学でした。
研究会は町屋の継承や再生活用に取り組んでいます。
金澤町屋の定義は
昭和25年以前に建てられた歴史的建築物を指し
町屋、武士系住宅、近代和風住宅に分けられます。
歴史的建築物なんて言うと大仰ですが
3軒長屋でも昭和25年以前ならその対象になります。
修復には行政からの補助がありますが
ほかの地域では見られないかなりの高額
条件も行政とは思えないぐらい柔軟なもので
町屋の保存や修復にかなりの危機感があるのが分かります。
実際、研究会の調査では
平成11年に10900棟あった町屋が
平成29年には5500棟とこの20年で半減しています。
今現在も減り続けていて減少数は年間約100棟となっています。
私も自分の町の空き家対策協議会の委員ですが
税制や相続の問題などで空き家が増えることはあっても
減ることはありません。
数十年後には町の人口も相当数減る予想が出ていますが
空き家は増え続けていますし解体もなかなか進みません。
金沢のような大きな町で新幹線の開通で観光客も倍増していても
町屋が減っていくというのは残念なことで
なんとか多くの町屋が残って欲しいものです。
修復物件を見に行く途中町中の建物をよく見ると
雨戸のある家がとても少ないのに気が付きました。
坂本先生にお聞きすると
金沢では雨戸のある家はとても少ないとのこと
ストリートビューで新興の住宅街を確認しても
雨戸のある家はとても少ないです。
面白いのは
茶屋街では逆に雨戸しかないと坂本先生に教えてもらいました。
雨戸にガラスが付いていて明かりが取れます。
雨戸しかありませんから開ければ縁側になっている構造ですが
2階が許されたのは茶屋街の建物だけとのこと。
江戸時代2階の高さや利用が制限されていて
軒も低く抑えられていましたから
雨戸の必要性がなかったのがそのまま現在に残っているのかもしれません。
逆に1階に多いのはガラリ戸や蓮司格子
格子の縦桟の間隔やサイズも様々で
木造家屋には格子が合います(笑)
金沢市内のムラモトの流季の家にも寄ったのですが
(設計は亡くなった三澤康彦氏)
ここでもガラリ戸が上手く使ってありました。

ガラリ戸には通風、防犯、採光など様々な役割があって
使い勝手がいいですしデザイン的にも優れています。
飽きの来ない外観、メンテナンスのできるだけかからない素材にあわせて
もっと多くの家で使っていただきたいものです。
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