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社長ブログケヤキの木の下で

2019年6月5日

畳の上に布団を敷いて寝るということ 現代の住まい

​​​​おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨夜は蒸し暑く寝苦しい夜でした。
そんな時は無意識にパジャマのズボンを脱いでしまう癖があります。
昨夜も3時頃に目が覚めた時には脱いでいましたが
どうやって脱いでいるのかは不明です。
昨晩、林先生の番組で
家庭内でのカビの話がされていました。
番組で放送された方が皆さんそれなりに工夫をされていたので
意識の高い方もいるのだと感心していました。
カビの三大発生要因は温度、湿度、栄養ですが
温度や湿度は人の快適な環境と被るところがありますから
根絶するのは難しいものです。
逆に言えばカビが生えないようなところは人も住みにくい
と言うことで各家庭で自己防衛や工夫が必要ということになります。
昨夜出ていた対策の一つが
押入れに布団を仕舞う時(ベッドではなくて今でも毎日押入れに布団です)
襖の両端を開けたままにしたり、スノコを床だけでなく
壁側に縦に立てかけたりしていました。
放送では床とサイド壁だけでしたが
外壁に面するところにも(布団の奥側)にも設置するといいでしょう。
これは
壁に布団が密着していたり、閉め切ったままにしておくと
湿度が高いままになってカビが生えやすい環境になるので
隙間を作って布団が早く乾くようにという意味合いがあります。
毎日、畳の上に布団を敷いて寝る方がどれだけいるのか分かりませんが
恐らくそれほど多いとは思えません。
ただ、注意していただきたいのは布団の収納方法だけではありません。
畳の上に布団を敷いて寝るという行為です。
伝統的な日本人の住まい方は畳の上に布団を敷いて寝るでしたが
畳は年に一度は畳を干していましたし、
畳の下は杉や松といった無垢の板でしたから
板同士ののつなぎ目にはそこそこの隙間がありました。
古い家にいくと分かりますが畳と畳の隙間から
隙間風まで入ってきます。
畳と畳の隙間から風が入ってくるなんて今の方には想像外かもしれませんね。
でもその風を防ぐために新聞紙を畳と板の間に敷いている家庭はかなりあります。
まあ、上のような古い家でしたら
畳を干す、毎日布団の上げ下げをするで
畳に布団でもそれなりに問題はありませんが
現代の家でそれをするとどうなるか?
人の体は36度
そこから水蒸気が出ていて
それが布団の中に拡散していきます。
その水蒸気は敷布団を通過して
畳を通過して床の合板につきあたります。
36度で湿度80%の空気は何度で結露するか?
湿り空気線図を見れば一目瞭然、32度です。
畳が湿気る理由は人から出た水蒸気
昔はそれでも畳の下が板でしかも隙間もあったから
毎日布団を上げ下げして、晴れた日には布団を干して
年に2.3回の畳み干しでよかったんですが
現代の住まいの畳の下は隙間の無い、透湿抵抗の高い合板
体から出た水蒸気は合板でせき止められてしまいます。
断熱畳(スタイロフォーム)でも水蒸気は通過しますから
結露が発生します。
温度と湿度が毎日補給される環境が整いますから
畳の下ではカビが発生します。
下の写真は
昨年、耐震診断にお伺いした家でのことで、

数年前に改装されたとのこと。
息子さんは〇友林業にお勤め(単身赴任)
リビングの隣の和室が寝室
ここに布団を敷いてお休みになります。

毎日布団はジャングルジムにかけて干しておきます。

でも、その畳の下は


建築物理、
あるいは木造建築病理学を理解していないと
このようなこととになりますから設計者や実務者の責任重大です。

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