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社長ブログケヤキの木の下で

2019年8月19日

建築学的リテラシー


おはようございます、

紙太材木店の田原です。
週末は台風の影響で雨漏れの現地調査が4件。
築40年の家が1件
築30年の家が2件
それに築15年が1件
大手のハウスメーカーでは
子会社にリフォーム会社を必ず持っていますが
自社で建築した家以外の雨漏れ補修は受け付けません。
上のうち1件もHMの子会社に断られています。
そんなことやっていられるかと言うのが本音でしょうが
時間も手間も取られる雨漏れ補修はリスクもあって商売にならない。
つまり、お金になりませんから受けないというスタンスは
株主にとっては当たり前で
資本主義体制のなかでは一つの経営判断と言うことになります。
一方、地場の工務店は雨漏れ補修の依頼があれば
たとえどのメーカーの建物であろうと
築何十年であろうと
当然のごとく駆けつけます。
ある意味、いいとこ取りをしているHM。
貧乏くじを進んで引き受ける地場工務店ですが
それを疑問に思う工務店はありません。
日本の建築文化を支えているのは自分達であるという気持ちがあるからですが、
自分たちの利益どうであれ
困っている人がいるから助けようという考え。
他方、手を出しても利益が確保できるかどうかわからないから
手を出すのは禁止であるという思想。
職人の生産性だけを基準に単価を決める
人の生活の中で一番大切な住まいが生産性だけで判断される。
より施工性のいい外壁サイディング
傷ついてクレームのこないフロア
汚れても拭きやすいビニールクロス
大量生産で日本中どこでも同じドアや建具
生産性だけで判断すれば上記の建材を使うことになりますが
それはHMや工務店の側の都合と
住まい手側の都合が微妙に一致しているからとも言えます。
住んでいる地域の材料
地域の職人
地域の気候や風土を考慮した設計であれば
住まいにはもっと多様性が出てくるはず。
ある種の現代病にかかっていると
まともな家が建たないことになります。
住まいという形あるものに対する​リテラシー​が低下すれば
日本中同じような建物が蔓延することになりますから、
これから家を建てようとされる方は
ちょっと立ち止まって考える必要があります。
リテラシー:原義では「読解記述力」を指し、転じて現代では「(何らかのカタチで表現されたものを)適切に理解解釈・分析し、改めて記述・表現する」という意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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