HOME >> ケヤキの木の下で

社長ブログケヤキの木の下で

2019年10月11日

地場の職人さんに作ってもらうということ


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は一日社員総出で各現場の台風養生。
足場のネットを畳んだり、
強風で飛んだり倒れたりしないように
資材や仮設のトイレをロープで固定してきました。
東海地方は直撃ではなくてもかなりの強風が予想されますから
念には念をいれる必要があります。
今日も昨日回り切れなかった現場の確認ですから
自宅は後回しになりそうです。
工務店をやっていますと、
新築だけでなくリフォームや家の中の細々とした修理の依頼が来ます。
細々としたものの多くは
他のリフォームの依頼のついでにちょっと見てくださいと
いうケースが大半です。

先日は、ドアの丁番がガタついて閉開するときにこすれるから
ついでに見てくださいというもの。

最近の住宅の多くの建具は枠と建具が一体になった枠付き建具です。
便利なことに枠と建具を繋ぐ丁番は、
ドアを上げたり下げたり、傾けたりと調整機能が付いています。
リクシルやパナソニックと言ったメーカーが作ってますが
枠と建具が同じデザインででできてますから、
量産住宅だけでなく町場の工務店でも一般的です。
一昔前は、枠は大工さんが加工して作り、
建具屋さんが採寸して建具を作るというものでしたから
建具屋さんの仕事はこれらの住宅では皆無と言うことになります。
さて、今回の建具も調整丁番でしたが
調整丁番を固定している金具が枠と一体になっていてそこが緩んでいる。
ところが枠と一体になっているので、その金具を外すことが出来なくて
私や建具屋さんでは直せない…
サティスというタンクとトイレが一体になったトイレも
発売当初から10年ほどは便座だけ交換と言うことできませんでした。
(現在は可能)

当時は便座が壊れたり、傷んだら便器ごと交換というスタイル。
修理や手入れを必要としない住宅はありませんが、
住まい手としてはできるだけそれらは回避したい気持ちが働きます。
同時に建物もできるだけお値打ちにと言う気持ちも。
メーカーはそんな住まい手に応えるため同じようなものを大量生産して
コストを下げます。
建具であればクレームの来ないように調整丁番。
反りやねじれが来ないように木目模様のプリント合板。
本物の木を使えば多少の反りやねじれは起こりますが、
それを許さなくなった消費者からはクレームが来ます。
大量生産品でも20年も経てばどこかしら不具合が出てきますが
その時には既にそれらの生産は行われていませんから
修理や交換はできず、全取り換えです。
30代で家を建てれば、少なくても40年はそこに住むわけで
さらに、現在の住宅であれば一昔前の家の耐震性をはるかに上回ります。
次の世代でも使用可能と言うこと考えれば
50年、60年でも住むことは可能ですが
その間、何度修理や手入れをすることになるか?
地場の建具屋さんや職人さんが作ったものなら
簡単に修理や補修もできますが、
メーカーの大量生産品ではビスのネジを回すことしかできません。
しかも、今回はそれすらできませんでした。
長期優良住宅だからと言って例外はありません。

Archive

ご相談予約
資料請求