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社長ブログケヤキの木の下で

2020年5月18日

温熱設計という言葉

​​​​​​​おはようございます、
紙太材木店の田原です。

先月農園に植えたコシアブラの苗木
数年後には天ぷらを楽しめそうです。
(3本植えました)
朝から雨模様を覚悟してましたが、
晴れて気持ちのいい朝です。
本日、午前中は下米田の家の地鎮祭なので助かります。

先日、佐藤重徳さんの
若手設計者に贈る
「木造住宅の手書き詳細図集」が届きました。
お前は若手か、と言われそうですが
いくつになっても自分とは違った考えや思想に出会うのは楽しいものです。
4軒の住宅の写真と詳細図が出てますから比較しながら楽しめます。
大手のHMではいろんな意味で真似のできない納まりですから、
(納まりと言うのは使っている材料と材料の接合の仕方や接しているところの接し方を言います)
地場の工務店や設計者向けの本と言うことになります。
また、HMに代表される大量生産される工業製品を使う家に
満足できない方には、
何故自分がそのような家に魅力を感じないのか
あるいは惹かれないかが分かる本です。

一般に建築系の本では
設計者や施工者などその家の建築に携わった方や写真を撮った写真家や
基本的な家の仕様などがでています。
伊礼さんや堀部さん、中村好文さんの本なども同じです。
普通の方は気が付きませんが、設計者は通常二人出てきます。
意匠と呼ばれる設計をした方の名前と、構造を設計した方の名前です。
意匠設計と構造設計と言いますが
住まい手の方が要望などを伝えたり、打合せをするときは意匠設計者がします。
住まい手でさえ、意匠設計者の後ろに構造設計者がいることに多くの場合気づきません。
構造設計事務所は広い空間や幅のあるサッシの開口部を支えるための構造を検討します。
建物が構造的に適正か、あるいは地震が来た時に耐えられる構造か、
あるいは地盤の状況や建物の重さに合わせ基礎の設計など、
特に耐震性については等級がありますから
どの等級レベルにするかなど、
一般的には構造計算と呼ばれる計算をして
建物の強度を担保する設計をします。
今回の本で紹介されている4軒の家のうちの1軒では、
意匠設計、構造設計に加えて温熱設計者の記載もありました。
伊礼さんの本でも温熱設計者の紹介があったのを見たことがありますが、
温熱設計の重要性が広く知られた意匠設計者にも
徐々に浸透しているのが分かります。
デザイン的にいくら優れていても、
暑く、寒い家、あるは燃費のかかる家では住まい手に支持されません。
温熱設計をしていれば
この手の本に記載されている情報で、
この設計者はこの地域でどれくらいの断熱性のある家を建てているか
暖房費や冷房費はどれくらいかかる家かなど
凡そ計算できてしまいますから、
有名な住宅建築家もうかうかしていられない時代となりました。
もちろん、工務店の親父はそれ以上にうかうかしていられる状況ではありませんから、一生勉強と言うことになります。
温熱設計と言う言葉がこれからの時代もっと広がって行けば、
逆に地場の工務店にはチャンスともいえるわけですが、
課題は性能とデザインと言うことになります。
PS
紙太材木店の場合も構造については構造設計事務所に依頼してますが
意匠設計と温熱設計は私がしています。
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