社長ブログケヤキの木の下で
2021年3月1日
環境負荷
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
朝晩の冷え込みも最近は緩んで、
日中は日差しがあるとこの寒い事務所でも暖房は要らなくなりました。
寒いのは隙間が多くあり隙間風が入るのと、一枚ガラスの窓が原因。
ある意味、紺屋の白袴…
先日、FBのクローズな工務店の集まりで話題になっていたのが
ウレタン吹付の断熱。
新住協でも火災時の影響から付加断熱材や外張り断熱材として
スチレン系やウレタン系の断熱材は使いませんし、
Q1.0住宅 設計施工マニュアル2020でも紹介されています。
今回の話は、充填断熱材として
ウレタンを吹きつける事。
断熱性や気密性の観点からではなく、
環境負荷からの話です。
サッシはガラスとガラス周りの枠からできています。
その枠の断熱性を高めるため
枠の内部はいくつもの部屋に仕切られていますが、
更に断熱性を上げるためのこの枠の中にウレタンを
吹き込む手法を思いつきます。
少し考えれば枠の中が空洞ならそこに断熱材を入れようとなりますが、
ドイツでは環境負荷の高いウレタンを
このサッシの窓枠の中に吹き込むことはNG。
吹き込むと密着して分離できないことから、
解体時に塩化ビニールとウレタンが分離できるように差し込む、
あるいははめ込むのだとか…
日本ではまだ、
製品としてサッシの枠の中にウレタンが入ったものは出ていません。
さて、日本のサッシメーカーは吹き込み型にするか分離型にするか、
どのようにするでしょう?
最近TVのコマーシャルでもSDGsが盛んに出ています。
若いこれから家を建てる世代、
あるいは今は小学校や中学に通っていても
15年後あるいは20年後に家を建てる世代は、
普段からSDGsに接しているわけで、
環境意識は我々の世代よりもはるかに高いと思われます。
ということで
ウレタンの充填断熱。
いつの日か住まいは解体されますが、
壁や天井、屋根にウレタンが吹き込まれた住宅の解体、
木造住宅の解体ではゴミの分別回収と同じで、
コンクリート、鉄筋、ガラス、アルミ、瓦、PB、畳、木材等
全て分別して解体、再利用されます。
再利用できないものは安定型最終処分場か管理型最終処分場。
通常解体した木材の多くはバイオマス燃料として再利用されますが、
ウレタンの付着した木材はNG。
どちらの処分場に行くのか分かりませんが
どちらにしてもウレタンの付着した木材の環境負荷は相当程度高くなります。
サッシの枠の中に入れるウレタンでさえ厳しいルールがある国からすれば
家の壁の中にウレタンを吹き込むというのは
将来を考えれば、分離、分別、環境負荷も何も考えていないわけで、
SDGsという観点から見れば答えは明らかです。
日本では一般の方に住宅性能の大切さが認識され始めたばかりで
ある意味、住宅性能の黎明期。
様々な手法や工法が百花繚乱ですから、
何が残るのか将来を見据えて考える必要があります。
あなたの住まいは嫌でも何でもお子さんが相続することになります。
空き家が何百万戸もある家余りの時代、
将来あなたの家が簡単に誰かに買ってもらえると思ったら大間違いです。
新住協でもPHJでも壁にウレタンを吹いているところは、
あまり無いんじゃないでしょうか。
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