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社長ブログケヤキの木の下で

2021年8月20日

起こらんように…


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝は曇り空ですが
珍しく朝日がさしています。
チラホラと青空もみえますが
さて、雨はどうなることやら・・・
お盆期間中の大雨でお隣の美濃加茂市では
一時、レベル5の緊急安全確保が出ました。
美濃地方の多くは水害の可能性のある地域です。
高性能住宅が床上浸水したらどうのように補修したらいいか?
40年ほど前、美濃加茂市の木曽川が氾濫した時、
被害を受けた2x4の住宅の補修をした時のことを
幹部社員から聞いたことがあります。
壁は1mくらいの高さまで浸水したので1.5m程度のところで、
壁のプラスターボードを剥がして中の断熱材を撤去。
当時は厚さが5センチ程度の断熱材、
長さも1.4mくらいのものが縦に2列だったから、
下側の1列の断熱材を入換えたとのこと。
難儀したのは床下に溜まった土砂だったとか。
2x4住宅では床合板を貼った後に壁を建てるので
床が捲れないし、
おまけに根太ボンドと釘で土台にきっちりついている。
仕方なく、1部屋に4か所程度、合板をくりぬいて
塵取りで少しずつヘドロを取り出したとか。
それでも、かがんで取れる範囲は限られているので
最後は床下に潜らざるを得ず、
毎日、泥だらけの仕事だったとか。
今なら、いくらお金を出しても誰もやらんと言うような話でした。
現在の高性能住宅でそのようなことが起こった場合だと、
一階の壁は柱を残して全撤去でしょうか。
高性能住宅の場合
新築の作業工程は壁のPBを貼ってから
天井の下地を組んでPBを貼りますから、
壁のPBを撤去するということは天井も全撤去することになります。
一昔前の在来工法の家では
天井のでPBを張ってから壁を仕上げる方法でしたから

この場合であれば、壁だけで済みますが、
高性能住宅の場合は無理です。
さて、問題は床。
所々穴を開けて床下に潜ってヘドロを掻き出すというのは
恐らく誰もしませんから、
床の合板はフローリングも含めて全て捲って撤去と言うことになります。
こう見てくると1階は、
骨組みだけの状態に戻すということになりそうです。
これらの工事は保険である程度カバーできますが、
近年は年間の保険代も相当程度上がってます。
それといくら保険でカバーできたとしても
数か月は不便な生活を余儀なくされるわけで、
これから新築を検討される方はハザードマップの確認は必須。
どうしてもその地域に建てなければならない方は
床上浸水した時の補修方法など
設計者に事前に確認して知っておくと
ある程度の覚悟ができますが、
現実的な対策としては保険でしょか。
それと言うまでもありませんが
早めの避難。
今のところ私の知り合いの高性能な家を建てている工務店や設計事務所で
そんなケースに当たったところはありませんが、
現在の気候がこれからも続くとなると
可能性としては高くなると思われます。
古い日本家屋をスケルトンにしてと言うのはよくありますが、
現在の高性能住宅をスケルトンにしてと言うのは
工務店にとってもそれほど知見があるわけではありませんから、
水災にあった高性能住宅の補修方法については
手探り状態と言うのが実態でしょうか。

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