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社長ブログケヤキの木の下で

2022年1月26日

調湿する断熱材?


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は昼間の気温が10度を超えた美濃地方。
(と言っても11度程度)
1月10日以来ですから2週間ぶりの10度越え、
朝は氷が張って氷点下でも
10度を超えると明らかにいつもの寒さと違うことが分かります。
しかし今は大寒の真っただ中、
今しばらくは昼間でも寒さに注意が必要です。
そうは言いながらも事務所の中はと言うと、
昨日の夕方の18時。
気温は28.5度、湿度は20%
薪ストーブを焚いてやかんで加湿、
一昔前のどこかの事務所のような環境。
おかげでシャツ一枚で仕事ができます。
少し暑い時は窓を開けるか
水屋の換気扇をまわすか
あるいは外へ涼みに出る。
外気が8.9度で59%ですから
絶対湿度は4.2gほど…
やかんの水蒸気と人で少し加湿され、
室内は4.8g
換気は薪ストーブの煙突ですからこんなものでしょうか。
さて、
巷では調湿性のある断熱材なるものがあるとか。
冬季に室内が乾燥すると、
水蒸気を吸った断熱材が室内に水蒸気を放出し、
室内の湿度を上げてくれる。
夏場の室内の空気の中に含まれるじめじめした水蒸気を、
外に出して室内の湿度を下げてくれる。
エアコンで除湿した室内の空気、
その空気から更に除湿して快適な室内環境を作ってくれる。
そんな魔法のような断熱材があると聞きます。
水蒸気に限らず物質の拡散は拡散方程式で表されます。
熱伝導の法則とかオームの法則とか、
簡単に言えば物理量の場に勾配がある。
つまり、濃度の高いほうから低い方へ
密度の高いところから低い所へ
温度の高い方から低い方へ
水蒸気も密度の高い所から低い所へ拡散します。
ということは冬の寒い時期、
水蒸気を一杯吸った断熱材は
部屋の中に水蒸気を出してくれる?
いえいえ、家の外の方が湿度が低いのですから
断熱材が吸った?水蒸気は家の中ではなく、
外に向かって放出、移動、拡散されます。
残念ながら家の中ではありません。
夏はその逆。
部屋の中を除湿すれば
外気の高濃度の水蒸気が調湿性のある?断熱材を通して、
部屋の中に入ってきてしまいます。
防湿シートがありませんから
水蒸気の出入りは自然のままということになります。
物理の法則なので
いやいや、調湿断熱材は冬でも
室内に放出するねん!
室内を加湿するねん!
調湿するねん!
と言うことになると、
ニュートンのリンゴは空に向かって飛んでいくことになります。
家を建てるにあたって
論理的な、科学的なスタンスは
今の日本では
残念ながら住まい手自身が意識する必要があります。

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