HOME >> ケヤキの木の下で

社長ブログケヤキの木の下で

2022年9月7日

サボらせて省エネ?

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
美濃地方は昨日、午前中は風がそれなりに強かったのですが
午後になると徐々に弱くなり、その後は雨でした。
その雨もそれほど強くはなく、今に至ります。
何とか直撃を免れましたが、列島横断と言うことであれば
今頃現場の後始末に飛び回っていたかもしれません。
今朝は目が覚めた時、湿度が高く寝汗をかいてました。
日本の夏はこの湿度との関係がますます重要になります。
この5月に経産省が
家庭用エアコンの新たな省エネ基準を策定しました。
目標年度は2027年又は2029年度です。

経産省資料より
6KW以下のエアコンではAPFは軒並み6以上
単純に2.2Kwの冷房能力を出すのに、
その6分の一のエネルギーで済む計算になります。
計算すると366W程度の消費電力で、
2.2Kwの冷房能力を出すようにとのお上のお達しです。
表の右端の改善率は現行の省エネ基準に対する
次期省エネ基準の改善率を示しますが、
4.0Kw(14畳用エアコン程度)では
なんと、34.7%も効率を上げることになります。
いくら5年後と言えども、他のエアコンに比べて相当程度の改善率となります。
ある意味、それだけ改善の余地があるということにもなりますが…
さて、2.2Kwの冷房能力のあるエアコンの
定格の消費電力が500wとすると、
大きく分けると
コンプレッサーを制御するのに400w
送風するのに100wのイメージでしょうか。
コンプレサーを制御するエネルギーの方が、
送風するエネルギーの何倍ものエネルギーを使うことになります。
ここで、コンプレッサーを上手に10%ほどサボらせて360Wくらいしかエネルギーを消費しないようにすると、冷房能力は落ちてしまいます。
その代わり送風する量を上げると、
例えば1時間に100m3冷気を吹き出すのを
110m3吹き出すようにすると、詳しい計算は省きますが
実は冷房能力は同じ2.2Kwになります。
コンプレッサーを制御するエネルギーの削減は40wですが、
風量を増やした分では10wしかふえてません。
トータルでは差し引き30wのエネルギー削減したことになります。
それでも同じ冷房能力2.2Kwですから、省エネなエアコンの誕生です。
では、なにが違うか?
実は除湿力が違います。
コンプレッサーをサボらせなかったら10度まで冷えてた熱交換機が、
コンプレッサーをサボらせたことで14度までしか冷えなくなると、
それだけ結露する量が違ってきます。
その分、送風量を増やすことで、トータルの冷房能力を維持しています。
省エネだからと言って
APFが改善されたからと言って
同じ除湿能力があるかどうかは、メーカーの方針次第。
悪魔の囁きはコンプレッサーを上手にサボらせること。
業界は10年ほど前の​爆風モードの前科​がありますが、
本質はコンプレッサーの能力を高めること。
5年間の猶予がありますから、期待するしかありません。
ps
自動車の燃費と同じで、APFも割り引いて考える必要があります。
通常エアコンの燃費計算するときは、APFは3程度で計算します。

Archive

ご相談予約
資料請求