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社長ブログケヤキの木の下で

2023年4月12日

どうする、除湿


おはようございます、

紙太材木店の田原です。
朝一番で大垣の解体現場。
地中埋設物が出たとのことで、
現場直行でした。
前回お話したアーキテクトビルダーの記事。
少し分かり難いので補足です。
外気:気温29度 湿度70% エンタルピー75kj/kg
室内:気温28度 湿度55% エンタルピー60kj/kg
つまり、エアコンで
29度70%の空気を
28度55%にする
気温は1度しか下げずに、
湿度は15%下げる仕事をすることになります。
必要なエネルギーは
前回の計算式から約600Wですが、
そのうち潜熱に500W
顕熱に100W必要となります。
気温は1度しか下げないのですから
100wで十分となります。
しかしエアコンという機械の顕熱比は、
凡そ70%前後で決まっています。
そうなんです、どんなエアコンでも同じです。
そうなるとエアコンのスイッチを入れると、
エアコンはその消費電力の70%は
温度を下げることに使い、
残りの30%を湿度を下げることに使います。
しかし、
上の条件では温度は1度だけ下げる
湿度を15%下げる、です。
つまり、
エアコンで気温を1度下げただけでは
湿度はほとんど下がりませんし、
逆に湿度を15%下げようとすると
気温はどっと下がってしまいます。
そこで、再熱除湿です。
気温を下げるのが目的ではなく、
除湿が目的ですから除湿を優先する。
そうすると気温が下がってしまうから
もう一度空気を温める。
一般的に現在の設備機器で
除湿を効率的にしてくれるのは、
エアコンが筆頭。
そこで再熱除湿機能付きのエアコンですが
値段もそれなりにしますし、
1台で十分かと言うとそうではありません。
エアコンで除湿、
下がりすぎた空気は温める。
この理屈が分かってくると
対策もいろいろ考えられます。
1.再熱除湿エアコン
2.日射を意図的に室内に入れる工夫
3.2階のエアコンで冷房(除湿)1階のエアコンで暖房
(エアコン2台で再熱除湿)
4.そもそも給気で入ってくる水蒸気が家の中で拡散する前に
 エアコンで吸込み、結露させる(お風呂の水蒸気も)
5.1種全熱交換機
6.エアコンの風量を意図的に下げる
7.KAMI式?
1から6まで様々なやり方がありますから
それらを組み合わせることで、
より効果が出てきます。
住宅における空調は
ビルのような大規模な設備ではありませんから
エアコン1台であるいは1種の全熱交換機で、
夏も冬も梅雨時も
いつも快適にというと限界があります。
対策の組み合わせは様々ですし、
設計条件も個々の家々で異なります。
設計者と相談しながらご検討ください。

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