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社長ブログケヤキの木の下で

2013年2月20日

断熱性能基準値は13年前とほぼ同じ・・・24年省エネ基準

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今朝も川辺町はマイナス4度
まだまだ寒い日が続きます。
さて、
H24年の省エネ基準が発表されてます。
平成11年の次世代省エネ基準から13年
主な変更点は
Q値からUA値への評価方法の変更
一次エネルギー消費量に基準が設けられたこと
冷房期の平均日射熱取得率に基準が設けられたことなど
内容的には半歩前進といったところでしょうか。
ところで
世界の住宅の性能の流れはどのようになっているのでしょうか。
住宅でのエネルギー消費を考える場合、
ドイツのパッシブハウスの基準は
将来の住宅のエネルギー消費のあるべき方向を示しています。
ドイツやEUではエネルギーパスといって
住宅が1年間に必要とするエネルギー(暖房、冷房、給湯、照明etc)を
表示する事が義務付けられています。
例えば
ドイツの家庭での年間エネルギー消費の目標量は、
1984年以前          370kWh/m2
1995年             160kWh/m2    
2002年から          140kWh/m2
パッシブハウスの基準     120KWh/m2
2020年目標(7年後!)      40KWh/m2    
という具合です。
これはどういう意味かと言うと
1984年以前の住宅で
一年間快適な室温で過ごそうとした場合
家の大きさを100m2とすると
100m2×370kWh/m2=37000kWhのエネルギーが必要な家
COP3のエアコンを使うと
37000kWh/3×22円=271.000円かかる家ということになります。
(給湯、照明も入っています)
上の計算式に当てはめると
パッシブハウスで88.000円/年
7年後の2020年は29.333円/年で過ごせる家がドイツの基準となります。
さて、皆さんのご自宅はどうでしょう
95年頃(18年前)に建てられた家
4人家族
月の電気代が平均13.000×12=156.000
灯油代が一冬5万円
ガス代が年間6万円
合計266.000円
でもこれは家全体ではなく
局所暖房
全室にすれば灯油代は恐らく倍
+6万円で326.000円/年といったところでしょうか。
逆算するとエネルギーパスは444kWh/m2の家
このようにEUではエネルギーパスと言うものさしで
新築住宅の性能が国の基準で定められているわけで、
(中古住宅も売買の時に表示されます)
家を購入しようとする人にはとても分かり易い制度
エネルギーパスの数値を比較してみれば
暖かい家かそうでない家か
子供でもわかります。
さて、
今回の省エネ基準の改正
家から逃げていく熱を床面積で割るか外皮の表面積で割るかという問題
正確性、公平性という観点では外皮の表面積で割るほうがいい、
しかし現実には,床面積で割るのほうが
生活感としてはピッタリ来て計算しやすい。
最終的にはQ値であれ、UA値であれ
今後何が基準になっていくかということを考えると
エネルギーパスという制度を日本で普及させていくという前提であれば
EUやドイツを意識せざるを得ない。
様々な尺度を国際的に統一するのは困難
でも国際基準を意識した製品とか基準統一をしなければ
いくら性能が良くて、正確でもガラ携と同じ
ー次エネルギー消費量に基準が設けられるなど前進もありましたが
UA値に名前が変わった断熱性能基準
性能レベルは平成11年の次世代省エネ基準とほぼ同じという情けない数値
ところで
今、我々百年の家プロジェクトが目指しているのは
年間冷暖房光熱費を12万円以下に抑える暮らし
これは既に射程に入っているので
更にその先を目指すことになりそうです。
国の基準が変わっても誰のための家なのか
そこで生涯を暮らす人の立場で考えなければなりません。

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