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社長ブログケヤキの木の下で

2014年10月19日

住宅密集地での木造住宅

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
週末はMOKスクールで大阪
講義は桜設計集団の安井昇さんと佐藤孝浩さん
それに日影良孝さん
安井先生と佐藤先生は同じ桜設計集団の方で
防火と構造がご専門
日影先生は「手のひらに太陽の家」プロジェクトで震災の支援をされています。
安井先生は防火の専門家で
いろんな建物に火をつけて実験されていて
最近は筑波でも下呂でも
3階建ての木造校舎に火をつけていました(^_^)
「燃やし系」の安井さんと言われているとか・・
住宅を専門に造る工務店や設計者にとって
防火性能に関する法規や基準の知識は必須項目ですが
ここ数年で随分変化しています。
変化しているということは
どんどん変わっているということで
意外に知らない設計者もいたりします。
以前、火災保険の話をしましたが
法律的には住んでいる地区によって4つに分かれます。
防火地区
準防火地区
22条地域
無指定
上にあがるほど規制が厳しくなって
外壁やサッシ、軒裏などに使う資材が
防火の認定が取れてるものを使うことになります。
市街地の場合は22条地域か準防火地域がほとんどで
建物の密集地なら防火地域の場合もあります。
そんな中で
木造住宅を建てる時に
例えば美濃市の古い町並みや
岐阜市内でも昔の面影を残す街並みの中に
家を建てる場合
以前は木材を外部に出すことはできませんでした。
例えば木材が現しの軒裏であったり、
柱が外に出ている真壁の家であったり
木製の玄関扉であったり
これらは伝統的な日本建築には欠かせないものですが
そのような家を準耐火建築物として
作ることはできませんでした。
リフォームで改修するか
醜悪なビルやコンクリート
鉄骨で建てる以外はなかったのですが
今では
いろんな告示や大臣認定で
準防火地域で木造の準耐火建築物を造ることが可能になっています。
古い町並みにあった木材が外に現れている建物をです。
と言っても防火は大原則ですから
いろんな火災実験を通して
個別の大臣認定をとっていくという
考えただけでも手間と暇とお金がかかるやりかたで可能にされています。
火災は出さない、もらわないが基本で
木造ということに火災に弱いのではと
お考えになる方も多くいますが
それはあたっているともあたっていないとも言えます。
きちんとした防火対策が取られた木造は火災にも対応できます。
ヨーロッパやアメリカでは木造のビルや共同住宅が随分建てられていることからもお分かり頂けると思います。
コンクリートや鉄ではなく
唯一、再生可能な資源である木の可能性は
今後ますます大きくなっていくでしょう。
岐阜や各務原、美濃市や高山、古川と言った
古い町並みのある地域で
昔ながらの趣のある伝統的な木造住宅を建てることが可能になっています。
街中の古い家で一旦は新築を検討しても防火上の問題で諦めた方
そのまま我慢して住み続けている方には朗報かと思います。
講義の行われた大阪木材仲買会館
木造の3階建て(一部コンクリート造)
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この建物もいろんな工夫で木造を可能にしています
設計施工:竹中工務店
ところで
岐阜県で一番醜悪な建物は
高山の古い町並みにあるNTTのビル
鉄塔は昨年解体されましたが建物はそのまま
今年の8月には京都で屋外看板が一斉に撤去されて
とても気持ちのいい町並みになりましたが
高山のNTTビル、いつ引っ越してくれるかとても気になります。

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