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社長ブログケヤキの木の下で

2015年1月23日

住宅の高断熱化目標水準に関する基礎調査  独立行政法人建築研究所の調査のご紹介

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今年の花粉、昨夜のニュースで昨年の2倍とか
私自身も何に反応しているのかわかりませんが、
既に発症していてティッシュとハンカチが手放せません、
花粉の入って来ない気密性のいい家に住みたいものです。
さて、
以前、断熱性や気密性が低いとエアコンだけでは暖房できないとお話しましたが
詳細な調査研究を建築研究所が行っていますので
時間のある方は覗いてみてください。
資料は膨大で、
一般の方ではとても全部をなんて難しいでしょう。
私も実は飛び飛びで読みました(^_^)
第三章の「高断熱水準の目標設定と技術基準の検討」
建築に携わる方だけでなく
一般の方が読んでも
それなりに理解できますので
暖かい家に住みたい人には必見です。
結論から言うと
今の現行(新主エネ基準)の断熱、気密水準は十分ではない
ということにつきます。
健康安全性の観点から、作用温度を指標として断熱性レベルを検討するための基礎データをまとめた。
どのレベルまで室温環境を向上させるべきかについては別途判断が必要であるが
比較的低い作用温度10度と設定した場合においても、H11年基準レベルでは、十分と言えないことがわかった。
防露の観点から言うと、H11基準が最低レベルではないだろうか。

出典:独立行政法人建築研究所
 No.154号(2014(平成26年)2月)
住宅の高断熱化目標水準に関する基礎調査
第三章 P287

国の制度は住宅に於けるエネルギー削減に向かって動き始めています。
住宅の性能を向上させない限り、
エネルギーを削減できないことがわかっているからで
サッシ業界は真っ先に動き始めて、
世界に通用するようなサッシの販売を始めました。
従来はそれができる能力があったにもかかわらず
利益率優先の戦略を取って高性能なサッシを作って来なかったわけで
恐らく国からは相当強い圧力がかかったと思われます。
昨年から今年にかけて
サッシ大手3社が競って最新の高性能サッシを出してきたことでもわかりますし、
YKKは全国で自社社員向けのセミナーを開催して
高性能サッシの販売体制を強化しています。
今出ている高性能サッシと比べれば
従来販売されてきたサッシなどおもちゃのようなレベルですが
一般の方はほとんどそんなことはご存知ありません。
ペアガラスだから今より暖かいはず、
大手のHMも使ってるし
そんなに悪いはずがないと思い込んでいる状態です。
ご紹介したレポートは独立行政法人で
国のお金、つまり税金で運営されてるわけで
その内容は広く国民に知らせれるべき性質のものです。
でも、まぁ
マスコミもこんな調査結果が出ているなんて報道しませんし
設計や工事に携わる実務者もほとんどしりません。
まして一般のこれから家を建てようと考える
本来であれば一番に知らされるべき人たちも蚊帳の外です。
これだけの調査ですから
相当な予算も組まれていたわけですから
実務に携わる方は是非読んでおくべきですし、
一般の方も読んでおいても損にはなりません。
国が本腰を入れて住宅の性能向上に動き始めたということを示すひとつの例だと思います。
もう一度読んでみましょう、
比較的低い作用温度10度と設定した場合においても、
H11年基準レベルでは、十分と言えないことがわかった。
(10度なんていう信じられない低い室温レベルでさえです)

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