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社長ブログケヤキの木の下で

2015年6月15日

現場発泡の吹付断熱材でも透湿抵抗が小さければ 防湿シート(気密シート)が必要

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
梅雨の中休みでしょうか
本日は32度の予報で晴れ
しばらく雨は大丈夫のようです。
週末にチラシが入っていて
「高気密・高断熱の省エネ、バリアフリー住宅」と出てます
ウレタンをを吹き付けて断熱しているようですが
特に詳しい説明はありません。
一般的には
ウレタンを吹き付けていれば
高気密、高断熱との解釈のようですが
ウレタンの熱伝導率は
例えば
アイシネンは0.035
アクアフォームは0.034
一方グラスウールは
16Kのグラスウール0.045
16Kの高性能グラスウール0.038
断熱材はその厚さで性能が比較できますから
想定される厚みを熱伝導率で割ると
熱抵抗が出ます。
熱抵抗の数字の大きいほうが断熱性がありますから
設計者はこの厚みも考慮して熱抵抗値を出して断熱性を比較します。
断熱材を吹き付けるアイシネンやアクアフォームの場合
柱の太さが10.5cmとすると
平均して8cmほどの厚みで吹き付けることになりますから
(吹いたままの場合、柱の厚み以上に吹いて出てきた分はカットする方法も有りますが一般的には吹いたまま処理)
熱抵抗は
アイシネンは0.08割る0.035で2.28
アクアフォームは2.35
一方グラスウールなどの繊維系断熱材は
厚みが既製品ですから決まっていて
一般的には10cm
熱抵抗は
GW16Kは2.22
HGW16Kは2.63
4寸柱を使えば12cmの厚みのものが使えますから
その場合は
GW16Kで2.66
HGW16Kは3.15
限られた予算の中で
最大限その性能を発揮させる断熱材は何かを考えなければなりませんから
設計者は予算と睨めっこしながら検討することになります。
さて、もう一つ
設計者や工務店の担当者といった実務者でも誤解しているケースがあります。
それは透湿抵抗のことですが
わかり易く言うと
透湿抵抗が低いと水蒸気を通しやすいので
繊維系断熱材では防湿層つまり気密シートが必要です。
これは多くの実務者が共通して認識しているところですが
上記のような発泡系断熱材を使用すれば気密シートは不要と考える方が多くいます。
でも実はこれNGなんですね。
長期優良住宅化リフォームが昨年から始まってますが
透湿抵抗が低い断熱材では防湿層(気密シート)が必須となっていて
上の両製品ともそれに該当します。
省略できる場合もありますが
固定した下地(合板等)に吹き付ける場合は
その材料の抵抗が大きくなりますからできませんし
外壁側に下地をなくしてシートに直接と言うのは設計上問題があることが指摘されていますから
防湿層(気密シートは)必須です。
コンプライアンス、法令遵守の厳しい大手住宅メーカーでは
屋根裏の断熱リフォームで現場発泡系の吹付材を屋根面に直接吹き付けることはしていません。
大手HMだけでなくほとんどの工務店の屋根の下地は合板でできています。
そこに断熱リフォームで上記のような透湿抵抗の低い断熱材を吹き付ければ
吹き付けた屋根面の合板に結露が発生します。
大手HMはそこがわかっているのでしないんですね。
じゃあ、吹き付けてから防湿層を貼ればいいのではという考えもありますが
あとから屋根裏の束や母屋、
あるいはトラスが複雑に入り組んでいるところに
シートを貼るのはとても手間がかかります。
よほどの物好きでなければ止めましょうということになります。
現場発泡の吹付断熱材でも透湿抵抗が小さければ
防湿シート(気密シート)が必要です。
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