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社長ブログケヤキの木の下で

2015年8月31日

前年比3.2倍の予算の意図  長期優良住宅化リフォーム

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
毎日のように雨に降られ
せっかくの日曜日も台無しです。
とは言いながら、
なんとかの手習いで新しいCADソフトの習得で
一日費やすことができましたからよしとしましょう。
さて、長期優良住宅化リフォーム予算
今年度は昨年度の3.2倍の予算とか
詳細はこちら P17 
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国は住宅で使用されるエネルギーを
なんとしても削減しなければならない状況です。
新築住宅についてはロードマップもできて
2030年を前にエネルギー収支がゼロになる住宅が一般化する目処もたったのですが
(一般の方はそんなことほとんど知りませんがもう既定路線と言っていいでしょう)
きっかけは地球温暖化とそれに伴うCO2削減を約束した京都議定書、
さらに2010年のEU指令です。
EUでは加盟国に対して欧州議会及び理事会が次の指令を出しています。
1 .加盟国は、次に掲げる事項の実施を保障しなければならない。
(a)2020年12月31日までに、すべての新規の建物は、ゼロ・エネルギーの建物であること。
(b)2018年12月31日後は、公的機関が占有又は所有する新規の建物は、ゼロ・エネルギー建物であること。
建物のエネルギー性能に関する2010年 5 月19日の欧州議会及び理事会指令
P30 第9条

日本ではようやく、新築住宅についてはある程度の目星もついたのですが
既存の住宅が消費するエネルギーが一向に減らない。
(今ままでの住宅行政のツケです)
ということで
既存住宅のエネルギー消費を如何に削減するかが喫緊の課題となっていて
古い既存の住宅を今の長期優良住宅並の性能にすれば
最大200万の補助金を出すよと言っているのです。
泥縄式という言葉がぴったり当てはまる事例です。
しかも昨年費で3.2倍の予算を組みましたから
皆さん、どんどん長期優良住宅化リフォームをして下さい!
でも、実情はリフォーム対象となる既存の住宅の性能レベルが低すぎて
長期優良住宅化リフォームをしようとすると
新築住宅を建てるのと同じくらいの費用が掛かるんですね。
住まい手の方もそこまでは踏ん切りがつかないし
技術的にも高度というのが実務者間の共通認識で応募しようにも数がない・・・
過去10年以内に建てられた家ならなんとかなりますが
それ以上前の家だと外皮の熱貫流率が不足しますから
サッシ全交換に加え外壁、屋根、床の断熱材の総入れ替えと防湿層(気密シート)・・・
200万(100万コースもあります)程度の補助金で
そこまでする?
皆さんに覚えておいていただきたいのは
国の基準は最低基準
時代とともに常に変化するということです。
今の基準も利害関係者すべてが妥協できる範囲でしか定められません、
大手のHMも街場の建設会社や工務店も加えてです。
欧米では国の基準以外に民間基準(業界が自主的に目標とする基準)をつくり
それを国の基準が後追いする流れがありますが
残念ながら日本ではその仕組みができていません。
お上の声は天の声でそれに向かって皆で足並を揃えるのが
農耕民族のたしなみと言っていいでしょうか。
地震に対する耐震基準も何度も改訂されてようやく今の基準になっています。
既にEUでは2020年以降、エネルギーをゼロにする新築住宅しか建てられませんし
日本でも2030年には平均的な新築住宅はゼロエネルギー住宅となります。
それがわかっている今
どんな性能の家を建てるかが問われています。
自分が建てた家は自分のもの
自分が亡くなったあとは野となれ山となれと考えるか
社会資産として幾世代にも受け継がれていく家を建てるのか
現行の性能基準で家を建てれば早晩、既存不適格になることは目に見えています。
予算との兼ね合いもありますが
住まい手として先を見通す目が必要になりますし、
性能と予算の両方に精通している工務店を探し出す必要があります。

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