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社長ブログケヤキの木の下で

2017年3月13日

住宅過剰社会 日本

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
先日読んだ
「老いる家 崩れる町」
住宅過剰社会の末路 野沢千絵著
工務店としては家を建てたいという方の要望があれば
基本的にどこでも建てるわけですが
この本を読むと
そうとばかりは言っていられないことがわかります。
現在800万戸の空き家が15年後には2100万戸
3戸に1戸が空き家状態になりますが
それなのに
新築住宅の9割近くがこれまで住宅が建っていなかった土地に建設されています。
つまり、新しく開発された土地にということになります。
(田んぼや畑の中の5戸~6戸の開発地などイメージすると分かり易い)
将来どういうことが起こるか?
新しく開発された土地には新たに下水道が引かれ
上水道も電気もひかれるのですが
それだけでも住民一人当たりの社会インフラのメンテナンス費用があがります
そこに人口減少が加わることになります。
一つの町でタコの足のように新たに開発された土地に伸びた社会インフラを
少なくなった人口で維持していくことは将来的には無理があるということです。
下水道や上水道の総延長距離をその町の人口で割ると
一人当たりが負担する距離が出てきます。
新たな開発地ができて、それがどんどん増え続けているということです。
そのメンテナンス、誰のお金でするの?
行政は市街化区域と市街化調整区域というように
町の中でも市街化を進めていくエリアと、市街化を抑制するエリアを
分けていました。
規制を作っていたんですね、今でもちゃんとありますが
規制緩和という名のもと各地の自治体が規制緩和の条例を作れば
市街化調整区域でも宅地開発が可能になりました。
行政も人口が増えるのなら
農家も田んぼでお米を作るよりまとまったお金が入るなら
(アパートにすれば相続税対策もできるし)
デベロッパーも5~6戸まとまれば売りやすい
新築検討者も町中のご近所に気を遣うより、
新しいところなら世代も同じくらいで馴染みやすい
こんな感じで無秩序な開発がおこなわれているのが日本の現状
30代で家を建てるとして
30年後の60代で自分の家のインフラが確保できるエリアかどうか考えても損はありません。
もっとも田舎であれば井戸を掘ったり、合併浄化槽なんて手もありますから
その気になれば住もうと思えばどこでも住めそうです。

川辺の家C 井戸の掘削風景

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