社長ブログケヤキの木の下で
2022年7月25日
最低基準
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日の草刈りは(時間のある時に少しずつやっています)
作業場の裏手であまり目につかない場所と言うこともあり、
先延ばしにしていたのでジャングル状態。
刈払機のひもタイプでは到底無理で、
刃先のついた丸鋸の刃での草刈りとなりました。
予想はしてましたが、疲労困憊の一日…
さて、10月から断熱性能等級6と7が新設されますが、
それに合わせるように長期優良住宅法も改正されます。
簡単に言うと、認定の基準が引き上げられます。
目的は良質な住宅が引き継がれる住宅循環システムの普及・定着。
世代が代わるたびに家を建てローンを組み、
生涯を通してそのローンを返済してきた日本。
3世代続けて新築を建てることにお金を使ってきたら、
豊かな生活などできるはずがありません。
なぜそうなってしまったかと言えば
耐震性や断熱性などの性能が低かったことや、
誰もが結婚して子供が出来たら家を建てるものというある種の
同調圧力や社会通念とでもいったものが、
醸し出されていたように思います。
大量生産で、安く売れる家がいい家?
ぎりぎりの性能で建てられた家では、
中古でその家を購入という発想は誰にも起こりません。
国は何とか欧米並みの中古住宅の流通を図ろうとしているわけで、
長期優良住宅の認定もその一つです。
ある種のお墨付きが無ければ、購入する側にしてみれば
不安しかありません。
今回の改正、耐震性については今までは耐震等級2で大丈夫でしたが、
耐震等級3が必須となりました。
ある程度の工務店であれば、誰もが納得できる水準の耐震性です。
良質な住宅が引き継がれるというのは、
50年や60年以上は住み継いでもらわなければなりません。
欲を言えば70年、80年でしょうか。
それを担保する水準と考えます。
断熱性について従来断熱性能等級4でしたが、
断熱性能等級5が必須となりました。
これについては疑問があります。
Ua値で言えば6地域で0.6wm2K以下。
等級4の時がUa値で0.87でしたから
それに比べれば随分向上したように見えますが、
この数値では一冬の暖房代が6万円以上になってしまいます。
(QPEX計算による)
27円/1KWhで計算してますが、
5年後、10年後の電気代を考えればある意味ナンセンスな基準。
加えて、気密については何の制限もありません。
これがどういうことを示しているかと言うと
Ua値についてはいきなり上げるのは、
様々なところから批判が出るからこのあたりで様子を見る。
基準強化は徐々に様子を見ながら・・・
恐らく数年後には改正されると思われます。
その他にも一次エネルギーの消費量性能の引き上げや、
既存住宅の認定制度の見直しなどがあります。
これらの事から見えるのは、いったん決まった義務化や基準は
5年10年と言うスパンで、徐々に強化されていきます。
長期優良住宅の基準はある意味、最低基準とみるべきでしょう。
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