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社長ブログケヤキの木の下で

2018年6月6日

杉の下見板張りのカビについて


おはようございます、
紙太材木店の田原です。
現在工事中の花池の家は一宮市ですが
同じ一宮市に春明の家(見返り美人の家)もあります。
100年ほど前に建てられた茅葺屋根の家を再生したもので
既にお引渡しから2年ほど経っています。

再生前

再生前
着手前はご覧の通りの家で
一宮市のような市街でこのような家が残っていたのが不思議な感じがしました。
今回はこの北側の下見板張りの板に着いた黒カビについての話です。

壁の上部は漆喰
下部に白木の杉板を張ってます。
杉板張りのもともとの目的は雨の吹き込みや跳ね上がりから漆喰を守るためので
目的は十分果たしているのですが
カビが生えれば何と言って見栄えが悪いということになります。
まだ2年ほどですから経年変化の真っ最中で
一番見栄えが良くない時期となります。
この建物の向かいには古い公民館があって
その壁も杉板張りでこんな具合になっています。

拡大してみると

ここまで経年変化していると
カビが生えていても気になりませんし
生えていること自体気づく人はほとんどいません。
さて、木部のカビ対策としては大きく分けて3つあります。
・カビ取り剤でカビを取る
・キシラデコールのような塗料で黒く塗る
・そのまま何もせず経年変化させる
どの手法も人によって感じ方が違いますが一長一短があります。
カビ取り剤を使えばカビは取れますが、
経年変化して飴色になっている木の色まで取ってしまいます。
木材が何年たっても同じ白木の色というのは不自然なのですが
カビよりはマシと考える方もいます。
キシラデコールのような塗料で塗るというのも一つの案です。
経年変化した後の濃い茶色、あるいは黒く塗ってしまえば
それはそれで見栄えもいいのですが
5.6年毎に塗り替える必要があります。
紙太材木店のSRの壁も杉の下見板張りで
5年毎に塗り替えています。(結構面倒・・)
何もせず経年変化に任せるというのが一番手間がかかりません。
写真などでご覧になる日本の古い民家の外壁の杉板はどれもそうです。
どのようにするかは住まい手の判断ということになりますが
最近はエコウッドトリートメントやウッドロングエコのように
(商品名が違うだけで成分は同じものと思われます)
経年変化を先取りした商品もあります。
これだとカビが生えても気づく人はいませんし
塗り替えもする必要はありません。
それに板を貼る前に住まい手の方が自分で塗ることもできます。
現在工事中の花池の家では先週、ご夫婦に杉板を塗っていただきました。
こちらに​西方設計が14年前に塗った建物のサンプル​が出ていますので
経年変化を楽しみたい方は参考になさって下さい。
建物の外壁は紫外線の影響を受けますから必ず変化します。
サイディングでもガルバでも杉板でも同じですが
イニシャルコストとランニングコストの両方が小さいのは昔からある杉板でしょうか。

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