社長ブログケヤキの木の下で
2017年5月26日
日経ホームビルダーの警鐘 野地板が泣いている、それでもやる?軒ゼロ住宅
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今月の日経ホームビルダー
「野地板が泣いている」と表紙に大きく出ています。
一般の方はお読みにならない雑誌ですが
実務に携わる人間は手に取ってみるべき内容
ということで
本日は技術的な話となります。
野地板が泣いているとはどういうことか?
野地板というのは屋根に張り付ける板、
つまり現在ではほとんどが合板で
瓦の下にある板と思っていただいていいでしょう。
その合板が結露で腐朽していることを
野地板が泣いていると言ったわけです。
特に危ないのが2階の室内を広く見せたり
ロフトを作って小屋裏利用する場合など
屋根の勾配に合わせて天井を作る場合。
一般には勾配天井とか屋根断熱とか言われています。
主な原因は室内の水蒸気が野地板の室内側で結露することによるもの。
冬のサッシのガラス面で結露する状況が
屋根の野地板面でも同じように起こっているということです。
室内のサッシのガラスであれば結露して濡れていれば拭けばいいのですが
勾配天井で屋根で断熱がしてあればそこで結露が起こっていても
確認のしようがありません。
野地板の外側、つまり野地板と瓦の間には
雨水の侵入を防ぐためアスファルトルーフィングが敷かれていますが
これは通気性も透湿性も非常に低いもの
このルーフィングが野地に密着して水蒸気の排出を妨げることになります。
白い部分はカビ、ルーフィングを剥がしたところ
行き場を失った水蒸気が野地板の室内側で結露するというメカニズムがわかります。
最近はデザイン住宅が流行りですから
居間は吹抜けで勾配天井、
あるいは2階にロフトを作って収納スペースや
ご主人の書斎代わりなんてケースも数多くあります。
日経ホームビルダーに掲載される記事ですから
レアケースではなく相当数あるわけで
その警鐘ととらえたほうがいいでしょう。
スケルトンの性能(構造躯体の基本的な性能)をきちんと確保すれば
インフィル(間取、内装、設備)は自由にデザインできますが
そこのところを勘違いしている建物が多くあるということでしょうか。
最近はデザイン住宅、デザイナーズ住宅がはやりですから
見た目も大切だけどその前に確認することがありますよ
と業界紙が業界に警鐘をならしたといったところでしょうか。
そういえば昨年の12月にも
「それでもやる?軒ゼロ住宅」なんて記事もありましたっけ
(雨漏れ発生リスクは通常の5倍!)
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