社長ブログケヤキの木の下で
2022年9月23日
限界
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
先週からすっきりしない天気が続く美濃地方。
明日から羽島の家の見学会なので、
出来れば猛暑で高湿度を期待していたのですが、
この時期では少し遅いですね…
先日、知り合いの工務店の社長が
一種の全熱交換器を使ってるけど湿度が60%以下にならない、とぼやいてました。
一般の方だけでなく、実務に携わる設計者でも
メーカーがカタログ表示している
熱交換率90%(顕熱95%、潜熱85%など)を
そのまま鵜呑みにされてる方が見られますが、
車の燃費、あるいはエアコンのAPFと同じで、それがそのまま実際の生活条件で再現できるわけではありません。
実験室での数値と思ってください。
一種の全熱交換器の熱交換率は家の形や間取りは千差万別。
ダクトの配管経路も長さも曲がりも異なりますから、
家々によって違った数字になるのはよく考えてみれば当然です。
そこに、ダクトの設計や施工技術の良しあしが
入ってくるわけですから言わずもがな。
更に付け加えれば通常、トイレやお風呂と言ったダーティーゾーンの
換気は、一種の換気経路とは別になります。
日本の換気メーカーの場合、熱交換エレメントに紙を使うケースが多いので
一種の換気経路には入れずに設計します。
そうなると
1.2階のトイレの換気(匂いが気になるので24時間稼働40m3/hx2)
お風呂の換気(カビが嫌なので24時間稼働100m3/h)
それに、台所のレンジフードの換気(30分回すと150m3/h)
プラス、C値次第の漏気(80m3/h)
これらの換気される空気はどこから来るのかを考えれば、
実際に熱交換器を通る空気の割合は
家全体の換気量の50%~60%程度とみていいでしょう。
家全体の湿度が
全熱交換率90%(顕熱95%、潜熱85%)だから
快適な家になるはず!ではないことがわかります。
一種の全熱交換換気であれ
三種の換気であれ、
上記の事を理解した上で設計することで
これからの日本の夏をより快適に過ごすことができます。
残念ながら、
一種の全熱交換器を設置しさえすれば大丈夫!と言うのは幻想です。
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