社長ブログケヤキの木の下で
2024年8月23日
長居は無用
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
8月の末でようやく、
今年の台風が東海地方に来そうです。
しかも今朝の予報では直撃の様子・・・
建築中の現場の台風養生しなければなりません。
- さて、先日行った美濃市の森林文化アカデミー
帰りに美濃市内の古い町並みを散策しました。
と言っても余りの暑さに、
人通りはほとんどありませんでした。
古い家を改装した土産物屋さんや
カフェなどで涼んでいる方が大半。
我々もいろんなお店を廻りましたが、
美濃市の古い家を改装したお店には特色があります。
他の古い町並みのお店では
あまり目にすることはありませんが、
お店に入った時安心します。
- 古い街並みの中で
外観を建設された時と同じように手直しし、
内部は土産物屋さんやカフェに改装する場合
内部は広い空間が必要になります。
お客さんの座る席数の確保
商品をできるだけ多く陳列するスペース
簡単な厨房やレジ
経営上どうしても
配置しなければならない場所は、
限られたスペースの中では無理があります。
どうするかと言うと
壁を撤去する
2階の床を取り外す
通りに面した間口を広くする。
どういうことが起こるかと言うと、
建物の外周の壁だけがあって
内部には壁がないガランドウの空間。
耐力壁どこにある?
水平構面はどこ?
これって
地震が来たら一発で倒壊
古い町並みの中には
そんなお土産屋さんやカフェが溢れています。 - 理由は簡単で
この手のリノベーションやリフォームには
国の規制や基準はありません。
構造的に何をしようと咎められることはありません。
今の建築基準なら絶対建てられないものでも、
出来てしまいます。
流石に国もこのままではマズイと
2025年4月の法改正で - 規制することにしましたが、
それまでは野放し状態が続きます。
- じゃあ美濃市のそんなお店はどうかと言うと
- これでもかと言うほど金属の筋交いが入っています。
床も屋根もすべて構造計算して配置してあり、
基準法の1.5倍程度で計算されているとか。
実はアカデミーが市内にあり
構造の専門の先生や卒業生が多くいるので、
いつでも気軽に相談できます。
市内でこのような改装プランが出ると、
誰が設計するか
どんな設計か
ちゃんとした補強計画かなど
意匠的デザイン的なことも含め
厳しい目で評価されることになります。
地方の小さな町ですが
建物の改修や古い町並みの再生など、
建物改修の本来あるべき姿の一つが美濃市にあります。
古い町並みのお土産屋さんやカフェに入った時、
内部がガランドウなら長居は無用です。
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