社長ブログケヤキの木の下で
2024年11月22日
基準改正後 劇的ビフォアアフターの予算はどうなるか
- 昭和の初めの古い網入り型ガラス
- おはようございます、紙太材木店の田原です。
天気のいいのが続いて助かります。
雨では仕事になりませんから
水商売などと言われますが、
実際、雨や雪では外仕事ができません。
- 千種の家もようやく大工さんの造作工事が終わり、
内装工事が始まります。
珪藻土塗りと和紙張り、その後は外構工事も控えています。
建物の完成は年明になる予定です。
見学会は真冬の
一番寒い時期になりそうですから、
住まいの温熱環境に興味のある方は
楽しみにしていてください。
暖房負荷は4.6kWh/m2
自然温度差は12.04度
Q1.0住宅レベル4
Ua値は0.23(QPEX計算)
断熱性能等級7
建て替え前の家は市内では珍しくなった戦前に建てられた家でした。
建具や古材、古いガラスなどを再利用しています。
- さて、劇的ビフォーアフター 日曜日の夕方に目にしますが、
来年の建築基準法の改正であのような改修は相当程度
ハードルが高くなります。
柱や梁、つまり建物の構造の変更を伴う改修
例えば部屋の間取りを大きくするために
二つの部屋の間の壁や柱を取り払うのは、
構造を変えることになります。
このような場合、
新築を建てる時と同様に確認申請を出すことになります。
確認申請を出すということは
今現在の建築基準に合致させる必要があります。
耐震性につても断熱性についても、
2025年に改正される建築基準に合わせなければ
確認許可が下りません。
つまり、そこまでしないと改修できない訳で
それでもなお改修しようとすると
現状の建物の調査に始まり、
調査結果に基づいて
現行基準に合致させるための設計も必要になります。
古い住宅を改修して住むには、
相当程度の費用負担の覚悟が求められることになります。
- 現状のリフォーム工事は新築と違って法的な規制が
ほとんどありませんから
誰でも
何所でも
どんな風にでも
やりたい放題が
まかり通っていて
悪徳リフォーム業者の話しは、枚挙にいとまがありません。
国としてもいい加減なリフォームを
何とか規制したい思惑があります。
ただでさえ、耐震性が低い住宅なのに
その家の壁や柱を取ってしまって、
広い空間を作ることもなんの問題もなくできているのが
今の日本・・・
観光地では古い町家を改修して
おしゃれなカフェや
雑貨店にしてあるケースもありますが、
耐震性などどこ吹く風で
長居は無用のお店が溢れています。
その点、美濃市は小さな市ですが
市内に森林文化アカデミーがある関係からか
多くのお店がしっかりと耐震改修がされています。
そんなお店は中にいても安心感があって
ゆっくり商品を見れますが、
単に壁や柱を取って広くしただけのお店に入った時は
今地震が来たら
どうやって逃げよう
一般の方はそんな風には考えないと思いますが、
商売柄そちらに気がいってしまいます。
- 話しが反れましたが、
そんなわけで来年の基準法改正後は
劇的ビフォーアフターが同様の内容で放送しようとすると
番組の最後に出てくる予算の+数百万では収まらない金額が - 必要になると思われます。
古い住宅の改修のハードルが上がるとなると
空き家はますます増えるわけで、
ケースバイケースや住宅と店舗を分ける
あるいは地域性を考慮するなど、
行政には柔軟な対応が求められますが
改正後しばらくは混乱が続くでしょう。
- .
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