社長ブログケヤキの木の下で
2018年2月19日
アルミ樹脂の複層ガラスでもU値を見ると玉石混合
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
今日は雨水
雪が雨に変わり、草木が芽吹くころですが
マイナス4度の川辺町です。
塩ビ工業・環境境界HPより
ペアガラス、あるいは複層ガラスと聞くと
一般の方だけでなく実務者(設計者、現場監督、住宅営業マン)なども
性能の良い、ちょっと高価なサッシというイメージをもっている方が多くいます。
確かにそれは昔ながらのアルミの一枚ガラスのサッシに比べてという意味において正解ですが
比較の対象に問題があります。
上の図は北京と札幌、上海と福岡のサッシの断熱基準値を示したもので、
窓から逃げていく熱の上限を示したものです。
つまり熱が逃げて行けば室内は寒くなるわけで数値が小さいほど性能のよいサッシを示しています。
図を見ると北京は札幌の1月の平均気温に比べ少し寒いので
サッシの基準値もすこしよくなっていますが
福岡は上海よりも少し寒いのに
サッシの基準値は倍ほども違います。
日本ではどれくらいのレベルのサッシを使えば
一冬の暖房代がどれくらいかかるかということを示すことを
これまで実務者がしてきませんでしたから
一般の方の多くは博物館に行くようなアルミの一枚ガラスのサッシと比べて
複層ガラスのサッシは暖かいと思い込んでいます。
しかし、世界に目を転じてみると
北海道を除けばサッシの基準値は発展途上国並みのレベルだということが分かります。
塩ビ工業・環境境界HPより
アルミの複層ガラスのレベルというものは
諸外国のサッシの半分以下の性能しかないことを知る必要があります。
日本には法的な規制、つまりある一定以上の性能の良いサッシしか使ってはいけない
というものがありません。
自動車の排ガスの規制を思い出すと分かり易いかもしれません。
ある一定以上の二酸化窒素や硫黄を出すエンジンが製造できない規制があります。
サッシについて諸外国には規制がありますが日本のサッシにはそれがありません。
サッシの性能を数字で見る、あるいは比較する
そして、そのサッシを使うと暖房費が年間どれだけかかるか
結露が発生する可能性が高いのはどんなサッシか
住宅購入者はこの部分を考える必要があります。
どんなサッシを選ぶかによって
暮らし易さは相当変わってきます。
アルミの複層サッシは
U値4.07のエイピアから同2.43のサーモス2-Sまで
アルミと樹脂の複合サッシは
U値3.49のエピソードから同1.03のサーモスXまで
樹脂サッシは
2.64のエルスターSから0.55のレガリスまでありますが
現在主流なのはアルミと樹脂の複合サッシでU値3.29のサーモスLやサーモス2-Hあたり。
しかし、この数値は同じような寒さの諸外国に比べ
明らかに劣ったレベル。
一昔前の、
ペアガラスですから暖かいですよという売り文句が
アルミと樹脂のペアガラスですから暖かいですよに変わっただけで
肝心のU値が3.29レベルでは
日本の住宅性の向上への道のりはまだ長いものになりそうです。
でも、住まい手の方の意識次第でそれは変わるはずです。
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