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社長ブログケヤキの木の下で

2021年5月17日

何も塗らないのも選択肢 杉板

​​​おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は城屋敷の家で杉板張り外壁の見学会。


こんな見学会をするところは
紙太材木店くらいだろうと思っていましたが、

検索してみると日本中のいろんな工務店が
杉板張りの見学会を開催してました。

2月に新住協の研修で行った
西方設計の氷見の家の外壁にも杉板が張られてましたが、

北陸の杉は赤身がそれほど強くないんですね。
無塗装で張られてましたからそれがよくわかります。



名称は​「Q1住宅L3T3氷見」

Q-1住宅のL3(レベル3)と言うのは国の定める省エネ基準レベルの暖房エネルギーの20%
つまり5分の一のエネルギーで暮らせる家で、
T3と言うのは耐震等級3を表しています。
ちなみにこの城屋敷の家もQ-1住宅L3T3の家です。
その杉板の仕入れ先の材木店の社長が
土壌の鉄分の違いですよと教えてくれましたが、
無塗装で仕上げるなら北陸の杉でしょうか。
トラックで取りに行ける距離ですから運賃も自腹で済みます。
こちらの地域の杉は赤身がもっと強く出ますから
無塗装では落ち着かないので、
何らかの塗装をしたり、焼杉にしたりします。
紙太材木店ではウッドロングエコか焼杉です。
キシラデコールを塗るところもありますが
キシラデでは杉が風化するにつれ塗装面が剥がれますから、
何年かしたらまた塗装をすることになります。
実は紙太材木店のショールームの外壁の杉の腰板には
キシラデコールを塗ったんですが、
7.8年毎に塗り直しています。

特に西日の当たる西面は北や東の面に比べ風化が早いです。
スギは20年で1ミリほど風化していきますから
塗料を塗ったところが順次、剥離して剥げていきます。



この白い部分が剥離して剥げたところ。

3年ほど前に再塗装してます。
5.6年先にはこの剥げがもっと数多く出てきますから、
再塗装したくなります。
キシラデは油性で浸透性があると言っても、
色素自体はそれほど深く浸透しているわけではなさそうです。
ところがウッドロングエコを塗ったところは
このような剥げが見られないんですね。
風化はしているんでしょうけど
不思議なことにこのような現象が見られません。
ということで
杉板に色を付ける場合はウッドロングエコか焼杉。
焼杉も実は風化していくので
節の部分が真っ先に白くなりますが、
白くなった節だけ墨汁で塗れば分からなくなりますから
それほどメンテナンスに手間がかかるわけではありません。
人の手が入る工業製品を使えば必ずメンテナンスが必要ですから、
ある意味何もしないのが一番かもしれません。
Q1住宅氷見のように
杉板に何も塗らないというのも一つの選択肢です。
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