社長ブログケヤキの木の下で
2024年11月25日
特色ある能登瓦
- こんばんは紙太材木店の田原です。
建築士会の研究会で輪島に行ってきました。
先ほど帰ってきたので、
すっかり更新が遅くなってしまいました。
- 先日、JBN主催の山辺先生の
「令和6年能登半島地震の被害から学ぶ研修会」
がありました。
内容は、山辺先生が構造が専門と言うこともあり
実務者向けの話しが中心で
一般の方に分かりやすくお伝えするのは少し難しので、
今回は別の視点から感じたお話です。
- 金沢から輪島までバス移動でしたが、
山間地に道路が作られています。
山側は削り谷は埋めてできています。
道路の地震の被害はこの谷を埋めたところが
崩れている事によるもので、
復旧は反対側の車線を
拡幅して道を広げるというものでした。
そのため直線で進めませんから、
数百メートル毎に徐行して
仮復旧したところを通ることになります。
地震から既に1年近く経ってますが、
順調に走れるようになるには
かなりの時間がかかると思われます。
- さて、移動中目につくのは
地震から既に1年近く経ってますが、
ブルーシートの屋根です。
屋根は大半が瓦で葺いてあります。
この瓦のズレや崩落の応急処置で
ブルーシートなのですが、瓦は能登瓦です。
能登瓦と言うのは特色があって、黒く艶があります。
北陸の気候風土に適した瓦と言われていて、
瓦に厚みがあって
更に表面の釉薬を厚く塗り重ねて
雪や風に強く、耐寒性があると言われています。
東海地方で普通に見る三州瓦とは、全く異なります。
1年近く経ってまだ屋根にブルーシートがあるのは、
恐らく瓦の入手に時間がかかっているからと思われます。
日本3大瓦と言うのは
三州瓦(愛知)
石州瓦(島根)
淡路瓦(淡路島)で
それぞれに特色があるのですが
それ以外にも
能登瓦(北陸)や
安田瓦(新潟)があります。
重い瓦を大量に遠方に運ぶにはお金がかかるわけで、
地元産の粘土で焼成するのが理にかなっています。
関東地方に特産の瓦が無いのは、
瓦に適した粘土がないか
あるいは船で
三州や淡路から大量に運搬できたからと思われます。
全国共通の資材であれば
日本各地から復旧や修理の為に
迅速に集めることもできますが、
能登瓦のようなその地域の特産品となると
他の地域の瓦の製造工場で簡単に作ることができません。
気候風土に適した資材であるがゆえに、
かえって地域に被害が集中すると
復旧に時間がかかってしまうという
なんともやりきれない気持にさせられてしまいます。
- 日頃は住宅建築には
いつでもどこでも
いつの時代でも
容易に手に入る
自然な材料を使うことを推奨してますが、
気候風土に合った伝統的な資材となればそれは別。
能登地方の黒瓦の家々、
なんとか早く復旧をと願うばかりです。
- .
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