社長ブログケヤキの木の下で
2015年7月8日
板張りの外壁 下見板張りの魅力
おはようございます、
紙太材木店の田原です。
前回は久しぶりの親父料理
なぜだかアクセス数はうなぎ登り
親父逹も料理を迫られているのかもしれません(^_^;)
さて、我々設計者が常に意識するのは
質感と耐久性
ことに外壁に何を使うかは常に思案のしどころ
ひとつの選択肢は板の壁
そう、板なんですね。
杉の板を外壁に使った場合の経年劣化は
20年で1ミリ
蔵や古い民家の外壁に
上のような板が貼り付けてあるところをご覧になったことがあると思います。
一般に下見板張りと言いますが
実はこれパネル状にして板壁を作り、
壁に漆喰を塗ったあとから
よっこいしょと取り付けてあるんです。
製作工程を見てみなしょう
松田大工さんが押さえの竪桟を作ってます。
仕上がりの竪桟はこのような形になります。
製作途中の板に合わせるとこのようになります。
こののこぎりのような棧で板を押さえる訳ですが
工夫がしてあります、見てみましょう。
棧の切込に直角の指矩(さしがね)を当ててみます。
もちろん板のエッジは90度ですから
指矩を当てると揃います。
でも板と板は重なりますから
板の厚み分角度ができます。
ということで垂直に対して角度を持って切込を入れることになります。
こちらが完成した下見板のパネルの表側
裏側はこんな感じ
表側ではなく裏側から釘で板を貼り付けます。
断面はどうでしょう
この写真は断面下部
(左が下で右が上、顔を90度右に傾けて下さい、2枚のパネルが重なってます)
入った水が逃げやすいような工夫がしてあります。
この写真ではわかりませんが水の抜け穴が30cmごとに開けてあります。
入った水がたまれば傷みも早いわけですが
既存の藏などの下見板を見ると
庇さえあれば50年は普通に持ちますし
100年を超えるものも珍しくありません。
一番上の写真は100年ほど経ったものです。
下見板はこのように壁に部材を直接打ち付けて固定するのではなく
パネル状にして取り付けるのが基本
理由は傷んだときの取替が容易だからですが
100年持つなら直接打ち付けても問題ありません。
住宅は防火を考える必要がありますから
下地にモルタルやサイディングと言った防火機能を持つものを使用し
仕上げ材として板を貼るというのも
外壁のひとつの選択肢です。
モルタル、あるいはサイディングで仕上げれば
20年、30年というスパンで見れば
塗装やコーキングと言ったメンテナンスが必要ですが
板壁はその必要が無いわけで
質感も長く維持できますし
美濃地方の住宅としては景観にも溶け込みます。
折立の家
板壁の外壁
いろんな魅力があります。
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