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社長ブログケヤキの木の下で

2018年6月25日

夏の建具 簀戸の文化を現代の住まいにどのように取り入れるか。

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おはようございます、
紙太材木店の田原です。
梅雨なのに昨日も今日も快晴で助かりますが
降るなら降るでさっさと降り終わって
梅雨明けしてもらいたいというのが本音です。
昨日は叔父の法事で高山
車で行けば2.5時間ですが、特急ひだで1時間45分
いつもは車なので車窓からの景色が新鮮です。
古い町並みは相変わらず観光客であふれてますが
通りを一本外れると観光客は誰もいません。
観光ガイドをしている従姉によると
ひところの中国人の鉄瓶買い占めが終わって
6月は観光客が一番少ない時期とか
天気さえ良ければ高山に行くには最高のシーズンかもしれません。
古い町並みで一番目障りなNTTの建物ですが
昨年電波塔が撤去されたので空の視界も広くなりました。
通りを歩いていると
オスモ&エーデルのO君とばったり、
家族連れで観光に来ていたようで偶然のこととは言えこちらも驚きました。
上の写真は簀戸(すど)、葦戸(よしど)とも言いますが、
地方によってどちらになるか言い方が異なるようです。
古い日本家屋では夏になると障子をこの簀戸に入れ替えます。
一般的には衣替えと同じく6月初め
高山では寒いので6月の中頃とか
家中の襖や障子が夏になるとこの簀戸に変わるのですから
建具を保管する場所も必要です。
現在の新築住宅では考えられませんが
夏を涼しく過ごすための日本人の感性がそのような文化を生んだのでしょう。
新築住宅でも建具を季節で入れ替えるのはムリでも
何とか工夫をして取り入れたいものです。
さて、上の簀戸、商売柄多くの葦戸を見ますし
自宅にもあるのですが
この簀戸ほど繊細で美しいものは見たことがありません。
一般的に簀戸は萱や葦で作るのですが
この簀戸は竹をとても細く割いてあって
その太さは1mm~1.3mmほど
一本一本を糸でつなぎますから
隙間は糸の太さしかありません。
イメージは一般的な網戸の縦糸がない状態とでも言ったらお分かりいただけるでしょうか。
少し粗いですが画像を拡大してみると
このようになっています。

竹の節になるところも揃えてあって
それもまたデザインになってます。
骨組みは杉の赤身で全て柾目
外側から黒竹(クロチク)で押さえてあります。
これほど細かいものなら蚊や虫もすり抜けて中に入ってきません。
現代の家づくりにおいて
建具を季節によって交換などということはできません。
断熱や気密もとても大切なのですが
何とか工夫してこのような文化や思想を現代の家づくりに取り入れたいものです。
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