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社長ブログケヤキの木の下で

2009年10月18日

天井板

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
昨日は午前中はF様と打合せ。
瑕疵担保責任保険の説明DVD、
前回パソコンの調子が悪く出来なかったため
今回は、昨夜と朝、再度動きを確認し
準備万端でした、
しかし・・・・。
「今回は大丈夫ですよ」と言いながら
DVDを入れたのですがまたしても動きません。
ご主人と二人であれこれしたのですが
どうにもならず、
急遽、キッズコーナーでDVDを見ていた
お子さん達にちょっと我慢していただき
TVのDVDでご説明しました。
皆さん、ご迷惑をお掛けしました。
午後は、資材業者さんや大工さんと打合せでした。
さて、先日来工事をしている
お風呂の屋根
今回は、少し専門的なお話です。
昔の大工さんは天井の板を取り付ける方法について、
いろいろと工夫をしています。
下の写真はその一つ
竿縁天井と呼ばれる、竿で支えた天井の裏側の写真です。
分かりやすくする為に鉋(かんな)を横にしてますが
天井板の左側が丸く削ってあります
丸い形の鉋があります{丸鉋(まるがんな)}
それで溝を付くように板の左側をえぐっています
これは天井板と板を重ねたときに
上に重なった板がうすく削ったところでしなうようにするためです。
お上風呂 10.16 045.jpg
うすく削ったところでしなえば残りの板は直線に留め付けることが出来ます
板が厚いとしなわずに直線的に重なってしまい
下から見ると天井板、一枚一枚が斜めに重なって見えるのを
防ぐためです。
この板は幅が狭く施工当時よく乾燥した板だったため
このようなやり方がしてあります。
次は同じ竿縁天井ですが
(いなご天井とも言われます)
紙太の風呂屋根10.15 004.jpg
この天井板も同じように
丸鉋(まるがんな)で板の裏の重なり部分を削ってありますが
真ん中に何かピンのようなものが見えますね
これは、いなご(イナゴ、稲子などいろいろな書き方があります)と
呼ばれる、天井板を隙間のないように固定するためのピンです
(竹で出来ています)
下になる板に溝を彫り、そこに竹のいなごを差し込んで
上になる板が起き上がってこないように押えています。
こうする事で、下の部屋から天上を見たとき
板と板の間が隙間のないように
ぴったりとくっ付いているように見えます。
隣り合った部屋なのですが
上の写真でいなごが使われてないのは
板の幅が狭いこと
板の厚みが下の写真の板より厚いこと
板が柾目だったこと
乾燥が十分してあった材料であったことなどにより
時間がたっても天井の板と板に隙間は出来ないと
考えたためと思われます。
昔の大工さんは
木の性質をよく読んで適材適所に
その性格にあった木を使ってますね
今は、無垢の木を使う事が少なくなってます
天井の板もほとんどが貼り物ですので
このような大工さんの技術も必要なくなってしまってますが
古い家の補修には大切な技術の一つです。
若い大工さん達も知識として知ってはいても
技術として経験する機会がありません
古い家をお持ちの方は補修する場合
出来るだけそういう機会を
若い大工さんたちに与えて
頂ければと思います。

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