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社長ブログケヤキの木の下で

2009年11月29日

杉フロアーの木表と木裏

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
本日も、ケヤキの落ち葉が山のように積もっているスタジオ前です.
のんびり写真を撮って、ブログを書いている場合ではありませんね。
すぐに掃除をしなければなりません。
屋根にもこんなに・・・・
11.29no3 003.jpg
でも、その前に本日のお話は木表と木裏です
板というのは
丸い木を製材し板にしたとき
板の面のどちらかが年輪の外側
もう一方が年輪の内側になります
外側が現れている方を木表
内側が現れている方を木裏
といいます。
下の写真は2枚とも杉のフロアーです。
幅や色は違いますが、厚みは3センチの
無垢の杉フロアーです。
11.29no2 004.jpg
ちょっと見た目には同じ無垢の杉のフロアーですが、
とても、大きな違いがあります
11.29no2 002.jpg
11.29no2 003.jpg
お分かりでしょうか、
上の写真は木表が表面に現れていますが
下の写真は木裏が表面に現れています。
木をよく知っている大工さんや工務店は
下の写真の板をフロアーとして使う事はありません。
ひと昔前でしたら、
誰も使うことの無いフロアーでしたが、
最近は見た目や価格だけで一般に出てくる商品が後を絶ちません。
木裏が表面に出ている檜や杉のフロアーを使わない理由を知らない
工務店やリフォーム会社は建材屋さんの
うってつけの売り込み先になります。
また、工務店やリフォーム会社の営業マンにとって
無垢の杉、国産材、価格も安い
というのは、絶好のセールストークになりますね。
残念ながら消費者であるお客様でも、
その理由を知っている世代もどんどん少なくなっています。
木というのは皆さんご存知のように
年輪があります、
上の写真でも色の濃い筋となっているところと
色が薄く幅も広い年輪の二つがあります。
色の濃い年輪は硬く、
薄いところは柔らかくなってます。
長年使っていると、
この色の薄い年輪が磨り減り、
色の濃い部分が浮き彫りのように盛り上がっている板を
見たことがあるのではないでしょうか?
木造の古い小学校の廊下の板や
玄関に使ってあるスノコの板
お寺やお宮の板の間の板などです。
木表が使ってあるので
滑らかに美しく大事に使い込まれてきたことが分かります。
雑巾がけもし易そうですね。
では、木裏を表に出すとどうなるのでしょう。
11.29 010.jpg
11.29 011.jpg
上の写真は、スプルースという木の裏を
表面に出したフロアーです。
土足のフロアーですが、
状態は確認頂けると思います。
わずか4年でこうなります。
年輪の内側部分が順番に剥がれていき、
端がささくれていきます。
雑巾がけをすることは
こうなるともう出来ませんね。
先ほどの杉のフロアーでも同様なことが起こります。
わずか10年でフロアーの張替をしなければならないようなら
無垢の木を使った意味がありません。
堅木、ハードウッドなどの場合このようにはなりませんが
檜や杉、スプルースなどのフロアーを
床に張る場合には注意が必要ですね。
今は、自然素材、無垢の木、国産材が注目されてますから、
営業担当者も何も知らずに
このような材料の使用を進めて来る場合もあります。
一般の消費者はそれがどの程度の物か分かりませんから
非常に困った状態です。
ただ、製造元や建材メーカーは
全て知っていて作ったり、
売り込んでいるわけですから
常識が疑われます。
工務店やリフォーム会社も
もっと勉強して知識を蓄える必要がありそうです。
リフォームや家づくりには
デザインや価格も重要な要素ですが
このような本質的な部分もきちんと押えておく必要があります。

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