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社長ブログケヤキの木の下で

2010年1月13日

杉板張り

こんばんは、
紙太材木店の田原です。
今日の天気は雪
午後からは晴れましたが、
気温は上がらず空気も冷たかったですね。
犬山や江南の方でも積もったようです。
こんな時にノーマルタイヤで出かける強者もいて
いたるところで撃沈してました。
41号線も大渋滞してたとのこと、
皆さん、スタッドレスやチェーンをお忘れなく。
さて、本日は八百津町のF様邸
いよいよ、杉のフロアーが貼られ始めました。
木下大工さんが貼っています。
1.13 009.jpg
一階の床でこれだけ張ります。
1.13 007.jpg
右側の列は源平のフロアーが多いですね
(赤い芯材と白い辺材が混じっている事)
これは白い辺材の部分は
赤い芯材の部分より収縮するので
収縮してもまり目立たない
物入れやクローゼットの中に使うように除けてあるものです。
無垢の杉のフロアーで厚みが3センチ、
幅が20センチ以上ありますから
季節により収縮と伸長を繰り返します。
このようなフロアーを使うと
木も生きているように伸び縮みすると言う事が
実感できますね。
貼る時も1枚一枚の間は
名刺一枚分の隙間をあけて
貼っていきます。
いまは冬で乾燥してます。
これから夏に向かって
湿気をすって伸びた時も
その力でフロアーが
浮き上がって来ないようにするためです。
バケツの水をひっくり返しても
すぐ拭けば大丈夫ですよ。
さて皆さん、
木下大工さんが
フロアーを切ってます。
1.13 012.jpg
使っている丸い鋸と
床にお置いてある少し大きい丸い鋸、
彼はフロアーを切断する時
この2台の鋸を使い分けています。
ある時は少し大きい床の鋸を使い
またあるときは手元の鋸を使ってます。
さて、なぜ木下大工さんは
そんな手間のかかることをするんでしょう?
一台の鋸で切断すればそれでいいように思いますね。
ヒントはこの写真にあります。
1.13 013.jpg
よくご覧になると
フロアーを縦方向に繋いだ写真だと言う事が分かります
右のフロアーと左のフロアーを繋いだ所の表面は
隙間無くくっ付いていますが
手前側、3センチの厚みのつなぎ目は
黒い筋があるのがお分かりでしょうか?
これは、隙間です。
どういうことかというと
フロアーを切断する時
床に向かって少し斜めに切ってあるのです。
フロアーを貼った時
目に見えるフロアーの表面が
よりくっ付いて見えるためです。
面と面を隙間無く、くっ付けるのは
非常に困難です。
床の下地が少しでもゆがんでいたら
フロアーが少しでも反っていたら
それは無理ですが、
面と線はそれが出来ます。
(3センチの厚みがありますから斜めに切ると
もう一方の面と当るところは線になります)
2台の丸い鋸は
片方は斜めに切断し
もう一方は垂直に切断するために使われます。
両方とも斜めに切断する事はありません、
片方だけです。
両方斜めでつき付けられていると
ささくれる可能性が高くなります、
両方垂直では面と面の接合になり
隙間が出る可能性が高くなります。
収縮や伸長は木の横方向のほうが
縦方向よりはるかに大きいですから
この場合考慮に入れません。
ただし、壁際には縦方向でも隙間を入れておきます。
上の技術は
大工さんの用語で
裏を取るとか
裏を盗むと言う言葉で言われています。
この面と面をくっつけない技術、
きちんとくっ付ける技術は
幅木と床
幅木と幅木の入隅
枠と枠の接合部など
いろんなところで応用されていましたが
最近は見る機会が少なくなってしまいました。
日本の大工さんのすぐれた技術であり
職人の国の当たり前の仕事ですが
生産性という言葉とは対極の仕事です。
忘れられていかないように
みなさん覚えておいて下さいね。
それでは皆さん
また明日。

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