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社長ブログケヤキの木の下で

2010年6月16日

下見板貼り

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
やはり、梅雨ですね、
昨日は朝のうちは日が差していましたが、
午後からは雨、
少し、蒸し暑いぐらいでした。
さて、昨日のお話しの続き
松田大工さんが作っているのは
玄関脇の腰板で、
下見板貼りといいます。
鎧貼り、ドイツ貼りなど
いろいろ呼び方があります。
本当は、下見板貼りとドイツ貼りは違いますが
重ねて貼ってあるので
同じように見えます。
今回作っているのは
伝統的な下見板貼り
椹(サワラ)の木を使っています。
材料はその他にも、杉や桧、なども使用しますが
今回は椹(サワラ)です。
先ず、押えになる桟を作ります。
貼っていく板の厚みと幅に合わせて段が出来ています。
6.14.2010 006.jpg
横から見ると
こんな具合に出来ています。
6.14.2010 004.jpg
最初にこのように枠を組んでおきます。
6.14.2010 009.jpg
そして、
鉋(かんな)をかけて削っておいた椹(サワラ)の板を
このように段にあわせて貼っていきます。
6.14.2010 033.jpg
横から見るとこんな具合に
板と板が重ねてあります。
見えている写真は裏側になります。
表面になる化粧仕上げの面には釘やビスは打てませんから
全ての材料は裏側から固定します。
表面にキズをつけないようにダンボールの上で作業をします。
6.14.2010 037.jpg
組みあがった下見板の表を起こすと
先ほどの裏側のざらざらした面とこんなに違います。
鉋(かんな)をかけるとこんなにきれいになります。
6.14.2010 038.jpg
玄関廻りの腰板になりますから
玄関の両脇に幅の違う下見板を何組か作り
取り付けていきます。
6.15.2010no2 006.jpg
下見板の上端には雨が入らないように
笠木をこのように取り付けていきます。
6.15.2010no2 008.jpg
さて、
笠木が取り付く出隅の柱の部分がこのように
斜めに削ってあります。
しかも、両角共ですが
なぜだかお分かりでしょうか?
同じ柱の南側と
6.15.2010no2 057.jpg
西側です
6.15.2010no2 056.jpg
ちょっと見にくいですが
この写真を見ると
出隅の柱だけでなく
玄関の柱も少し削ってあるのがお分かりでしょうか?
6.15.2010no2 052.jpg
このように仕上がってしまうと
分かりませんね。
6.15.2010no2 009.jpg
柱には背割りという割れ目を鋸で入れます。
四角い柱に縦に表面から中心に向って割れを入れます。
これは、化粧で仕上がっている
柱の表面に乾燥によるひび割れを
起こさせないようにするためのものです。
木は乾燥すると収縮します。
背割れをつけておかなければ
柱の4つの面全てにひび割れがおきますが
一つの面に背割れを入れておくことで
他の面にひび割れがおきることを防いでいるのです。
11.22 工場加工 004.jpg
柱の中心まで背割れが
入ってますから乾燥して収縮しようとすると
縮もうとしますから、
背割れの割れが大きくなります。
つまり真四角の柱の形が変形する事になります。
その柱に、笠木をぴったりとくっつける必要がありますから
変形している分だけ削り取ることになります。
柱を薄く削った分は
柱が乾燥して、真四角から少し変形している事を
あらわしています。
今日は、少しお話しが長くなってしまいました。
なかなか分かりやすくお伝えする事が出来ませんが、
より分かり易いお話が出来るようにしなければと
痛感しております。
荒壁の家や大工さんの仕事にご興味のある方は
今週末、20日の日曜にこの荒壁の家の工事中見学会を
開催しますので、HPよりお申込下さい。
それでは、皆さん
また明日。

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