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社長ブログケヤキの木の下で

2013年8月26日

日射や地熱の利用 こんなに違う暖房用エネルギー

おはようございます、
紙太材木店の田原です。
すっかり秋の気配で
今朝は20℃
暑さもようやく峠を超えたような。
さて
家を暖かくするには
家から逃げていく熱をできるだけ少なくすることで
これを数値化したのがQ値
床面積1m2当たりの逃げていく熱量を示しています。
ですからこの数値が低ければ暖い家なのですが
そうでない場合があります。
家を暖かくするには
家から逃げていく熱を減らすと先ほど言いましたが
その方法は
1、断熱材を厚くする
2、サッシの性能を上げる
3、隙間を少なくする
などですが
家を暖かくする方法はまだあります。
それは
自然の熱を室内に取り込むこと
つまりお日様(日射)の利用です。
美濃地方を含む太平洋側の地域は
冬は日本海側に比べて日射が豊富
この日射を室内に取り込むことで
室内は暖かくなります。
もう一つは地熱を取り込むこと
気温が0度でも
地熱は13℃ほどありますから
この熱を利用する方法です。
さて、
Q値は家から逃げていく熱を表している数字ですから
日射や地熱から取り込んだ熱量は示されていません。
家の暖かさを示す指標になりますが
満点ではありません。
つまり
Q値が同じでも
日射や地熱を取り込んだ家はより暖かく、
冬の暖房用の灯油の消費量が少なくなります。
今、打合せ中の家で計算すると
日射を取り込んだ家(断熱タイプのペアガラス)
Q値 1.133 年間灯油消費量 220L 1m2当たり1.4L
日射を利用しない家(遮熱タイプのペアガラス)
Q値 1.127 年間灯油消費量 312L 1m2当たり1.9L
サッシの大きさは変えず
ガラスを変えただけで
全く同じ家で計算したものです。
Q値が少し低くなってる方が
年間の灯油消費量は3割も多くなります。
建築学会標準気象データによる気候区分で
Aの地域にある主に太平洋側では
南側に大きなサッシ付けることで
日射の利用で大きな恩恵を受けます。
逆に日本海側の新潟、金沢、鳥取と言った
日射の少ないC地域に分類される都市では
窓のサイズを大きくしても
日射の恩恵は受けられません。
むしろそこから逃げていく熱量の方が大きくなります。
家の暖かさを測る指標のQ値ですが
「Q値がよければ省エネ」=暖い家ではありません。
Q値が小さくなるのに暖房用エネルギーは増加する場合があります。
家の暖かさを測る指標は
Q値だけでなく
次世代省エネ基準に比べて
年間暖房用灯油消費量が何%になるのか。
日射の取得熱と室内発生熱を加えた
自然温度差が何度か
この二つを同時に考える必要があります。

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